空想世界でつかまえて

 2002年に製作された漫画小説、読みは「くうそうせかいでつかまえて」、通称「空つか」。
 NAVIとスパイラルをごちゃまぜにしたような内容だが、最初からネズ吉とロンによって、「此れはユメオチだ」と教えられている分、現実と夢とのごちゃまぜが物語に神秘を与えている。というコンセプト。あまり役には立たなかった。
 まずネズ吉がロンに、睡難の相があると告げられる。ロンはネズ進シリーズ第3弾「ネズ吉とアズバカンの囚P」にて占い学の先生をすることになっていたので、占いにはまっているのだ。
 ネズ吉は夢の中でブチョーとピチトルをし、フルボッコにされ気絶する。しかし其の間に世間は変わり、レア吉は逃亡する。ネズ吉はことの発端が塁次と呼ばれる奴の所為だと知り、原子力発電所での爆弾解決、水道局での毒薬混入防止を成功させる。そして舞台は丹沢山へ――其処には塁次の基地と、そして空中戦艦ホカマンダスがあった。
 同時にネズ吉はパイプと呼ばれる、ラーティ、リップ、カール、ジークとともに侵入し、またひょんなことからロンとワイちゃん、ラーも参戦することになる。
 塁次の片腕として働いていたライズさんが塁次を裏切り、更にはレーブンさんの参戦もあって、此の延べ10人で塁次を倒すことになった。
 塁次にはGO5と呼ばれている最強のピチロが下についていたが、最終ピチトル、ネズ吉、ライズさん、ラー、ラーティ、ロンVSライン、ダストラル、ギガボルト、アレス、ヤッシーで死闘を極める。最後はラーをロンが蘇生させることにより、ラーの特殊能力、1ターンキルが成功し、敵全員を機能停止においやった。
 一方其の頃ワイちゃんは戦艦から吹っ飛ばされてT7たちと激突。ブチョーにお説教された上にT7とパスタがなんやかんや言うので、
「よってたかって一人の乙女をいじめるのなんて、ひきょうなのさー」
みたいなことを言ったところ、ラッシーだけ目がハートマークになったという。
 ネット上にフリーユースとして載せるときに、一部改変した。此れにより大幅に物語性が出たような気がする。まあ挿絵無しだから寂しいんだけれどな。
 9時前に起きた。夢の中で大量自殺とYちゃんとの語らいがあった。Yちゃんが、聖母幼稚園でのお祈りを憶えていたことに驚愕した。此れが深層心理か。
 適当にネット巡回していた。なんで物理学科のホームページに実験ガイダンスが載ってないんだよ。
 雨が降っているけれど洗濯物を乾した。
 マリオ3で笛の音は、「ゾンビキャリーアー」でもいけるような気がしてきた。
 朝餉戴いた。豆腐に卵である。
 けいおん!!は、まああとでいいや。
 10時から実験ガイダンスに出席した。パクリコンがすべきは、電子回折とマイクロ波分光とパルス技術だった。後1個選べるらしいが、そのときは霧箱にしたい。……原子核散乱に殺到するだろうなあ。
 まあガイダンス自体は楽しかった。懐かしの八幡先生が来ていた。子供にサンタクロースとしてプレゼントを配るらしい。なるほど。
 暇な時間、2次元吸着の固体表面の金属粒子の吸着確率を求めていた。此れ、計算できるのか?
 帰る。渡辺君がガイダンスに出損ねたらしい。一応、もらえるものもらっといたほうがいい、とだけ言っておいた。
 メトロでツナサラダ喰らってきた。
 帰る。
 おなかがすいたよ。1-10の構想でも練ろう。

 ガイダンスの続きを受けてきた。霧箱が楽しそうだなあ。
 4回目の実験の希望を最初霧箱にした。そしたら、パクリコンと誰かとリュウ君がやってきた。なのでジャンケン、負けた。しょうがないから回折に行ったら、其処では渡辺君と遭遇し、またもジャンケンで負けた。
 メスバウワーとか……如何すりゃいいんだ……。
 雨が降っていて出られない。あと、11月11日までにネット上から資料を落として印刷しないといけない。がしかし、印刷するとパソコンがオーバーヒートしてしまうのだ。どうしよう……。図書室でできたかなあ。

 コンビニでバナナと牛乳を買ってきた。あと豆腐も。だけれど明日の朝はカレーでなんとかしよう。
 夕餉戴いた。カレーだ。ご飯100キロカロリー、カレーに100キロカロリーと、結構抑えた。
 ただ、眩暈がするんだけれど、どうすればいいんだ。
 ポケモンを見ているけれど、眠いなあ。

 寒天ゼリーでなんとかなった。しかし眠いことには違いなく、結果寝ることにする。まだ20時にもなってないし、1も1文字も書いていない。
 今日のメッセ。
名前:パクリコン@泣き虫のインディゴとか
サブタイ:確実にありえるわけがないのだが、なんか可愛いと思えてきた。
 ちなみに「泣き虫のインディゴ」でぐぐると、此のブログが最初にヒットする。ランちゃんは、まあ聖ちゃんもそれなりだが、歴史があるよな。聖ちゃんはLBで軽く私生活に触れた程度なので、結果としてランちゃんのほうが人生の共鳴積分は大きくなると思う。特にパクリコン君とかと一緒だとね。
 同じクラスに同じ名前の奴が2人以上いるとき、其れは、縮退している、という。面白いので書いておく。
 今日書いた量は少ないなあ。まあ、ちびちびやっていこう。

正闘士ネズ吉

 読み方『ぺいんとねずきち』、通称ペイネズ。
 2003年から2005年にかけて製作された、大学ノート6冊にわたる漫画小説である。
 ペイネズの予告は空想世界でつかまえてで既に出されていたが、恐らく読者の1割も其の真意に気付かなかっただろう。どうせ読者はダックDとジェミニンとセルクタスとライブルだけだ、とか言わないでくれ。今ではフリーユースとして公開されている(ただし挿絵は無し)。
 1巻、最初はアーサー王伝説にのっとったシブいギャグものにしようと思っていたが、セイバカの影響で途中からもろにセイバカのパロになった。いきなり海神ネプトゥナス編というのは些か苦しいが、そんなのはネズ吉がどうして死の谷から鎧甲とともに帰還できたのかというのに比べたら大したことはない。
 2巻、パクリコンVSシルバヌスの戦いは本当にぱくりそのものだったと言っていい。2巻では大体の海軍七将軍がやられて、残るは主な収入源獲得者の塔と壊すのと、あとバホードンを倒すだけ、になった。DDDダックスのおかげで何故にアーリアスがネプトゥナスを目覚めさせたのか、そして今に至るのかが分かる。どうでもいいけれど、主人公達(ネズ吉、ラー、ワイちゃん、ロン君、ラーティ)だけでなんとかしようと思っていたのに、最終的には、パクリコン、ダックD、レーブンさん、ライ吉も海底神殿に現れた。自重しなさい。
 3巻、バホードンは死力の限りを尽くして戦った。がしかし、バホードンが倒せたのはネズ吉とセリーニーだけ。ブチョー復活を許したバホードンに勝ち目はなく、其の侭海底神殿はぶっ壊れた。
 此処までで大体、アレス、シルバヌス、レオルド、アーリアス、カール、イグレーン、ミリが七将軍だと分かった。……だからといって何も無いが。
 3巻の途中から、ネプトゥナス編からプルトーン編に入る。レオルドはインチキで主人公等の仲間になり、そしてスポクターという敵が現れるようになった。が、スポクターの序盤は雑魚ばっかりで、主にカブッターやアナワーの連中がボコボコとやられていった。がしかし、真の強敵は教科型ピチロと呼ばれている奴等、すなわちハベリン、クランダ、サイド、クォーク、レプトン、ロル、リサージュあたりであった。まあレザノフとチミオは出番無かったし、強いのかどうかは分からない。三虚頭と呼ばれるトップ、つまりビウム、グリース、ジョンドラーがそれぞれ教科型、パスタ、雑魚どもを率いてまとめていた。ブチョーは第18感覚を目覚めさせ、冥界のプルトーンに直接対決を挑みに行くも、レオルドのおかげで神鎧甲を持っていくことができなかった。
 4巻、冥界での地道なバトルがあった。レオルドは足を引っ張り、しっぷーは役に立たず、一方でDDDダックスが大活躍をした。ジーニアスという、元スポクターの援助もあり、一行はじゅでっかに辿り着く。
 5巻、VSビウム、ロル、リサージュ、クォーク、レプトン。ピチトル形式はNAVIである。此のときロルとリサージュがビタユナイトという新しい行動をとり、大幅なるステータスの上昇を試みた。最後はワイちゃんの変化威力からのスタティックと、オールダイレクト+光学化2のラーのゴッドプレイズキャノンでビウムがやられた。因みにパクリコンは気球に乗って逃亡、東シベリアのぐびゅさんちにお世話になっていた。
 6巻、だははの壁でロイヤル正闘士の大半がやられ、更にはハチにより残りの殆どのロイヤル正闘士が死滅させられた。絶望的な状況の中、なんとかネズ吉とラー、ワイちゃんは永遠の楽園タンザワに辿り着く。其処に居たのはプルトーンのハーゲスであり、最後の闘いになると思われた。が、プルトーンのハーゲスの言によると、全ては応報天罰の女神ネメシスのフォイベーという奴が操っていたことが判明する。フォイベーに会うべく運命の館に行った3人だったが、其処で運命を司る女神ラケシス、アトロポス、クローソーの化身、タッグ、グォ、ヒタキに遭遇する。グォとヒタキは敵影感知+サクリファイス、タッグはファーストエイドというコンボで主人公等を苦しめ、そしてとうとう三人とも機能停止になる。
 其処で回想シーンがなんたらかんたらあって、ネズ吉はチーズに目覚めたおかげで豊穣の神ディミータの神鎧甲を得ることができた。同じような理由で変貌の神キプリオットの神鎧甲を得たワイちゃんと、砲撃の神エアリーズの神鎧甲を得たラーがタッグ、グォ、ヒタキをフルボッコにする。
 そして最終戦、VS応報天罰の女神ネメシスのフォイベー。彼女は時空をゆがめて非直接攻撃を全て無効化し、強力なレーザーと、一撃必殺のハゲドーンブレイズで主人公等を焼き払った。ラーは最後の死力を尽くしてブチョーの封印を解き、そしてフォイベーVSブチョーの戦いが始まった。
 結果ブチョーは負けて死んで、神聖ブチョー帝国はチガサ国という国に変わった。その後の話はアフターストーリーにまとめてあるので、短いから読んでみてね。
 9時くらいに起きた。朝から工事の音が五月蝿くて全然眠れない。最悪だあ。
 適当にネット巡回していた。昨日GPさんとメールをしていた。GPさんはやさしくていい人である。何も今に始まった話ではないが。買わないとデッキ組めないもんな、って。
 朝餉戴いた。卵に豆腐である。まあいいけれど。
 先生のところに行った。流石に1ヶ月で10キロは痩せすぎかなあ。パクリコンは限度を知らない。高温といえばハゲドーン温度で、低音といえば0.01ケルビンなのである。
 適当に買うだけ買って、物理教務に行く。
パクリコン「あのー、実験のガイダンスっていつあるんですか?」
教務の人「そっちの掲示板に貼ってありますよ?」
 ほんとだー! というかネット上に出してくれよ。わかんなかったじゃないか。危ない。明日にはガイダンスに行こう。原子核散乱やりたいなあ。
 バインダーを買って帰る。
 秋葉原に行く。ホビステでダムルグ180円と天罰180円と魔封じ180円と月の書220円を買う。買いすぎた。だが必要なものだ。
 アメドリでゴドバとかキングドラグーンとかを買う。こんな値段でいいのかよ。安すぎるぞ。ゴブゾンも今度アンデに役立てよう。
 トリシューラほしいなあ、と思いつつ、ケース屋に行く。あ、サイクロン98円、10個買おう。奈落200円、6個買おう。死者蘇生111円、4個買おう。分かるよね、此の心理。
 スリーブのプロテクターだけ買う。
 マインフィールドを300円×2と500円で買う。もうちょい安くならないものかなあ。
 巨竜はまた明日だ。
 家に帰る。
 体重は凡そ83.4キログラム。誤差は100グラムである。
 デッキを組み立てる。此れにて、マジドッグ1は完成、ダムルグも完成、スリーブとプロテクターを買おう。
 マジドッグ2はあとは巨竜3で完成する。エンジェルパーミももうちょいかなあ、強烈な叩き落としと警告がないことにはなんともかんともだ。
 あとはスタバとアンデを復活させたいなあ。

 アンデは弱いから諦めた。スタバとローレベルと青眼を復活させた。ダムルグも試したいなあ。試したいデッキがいっぱいだ。
 パクリコン垢に物理学の公理化の不可能、というより、不毛さを書いた。分かってくれる人が居たら嬉しいなあ。其の内リア垢にも書こう。少なくとも、
「エイミーの膣内は温かいが、あとでちんちんが痛くなった」
というのよりいいだろう。エイミーの膣は大きくて、ちゃんと人間との性交渉も可能なんだなあ、とか思っていたが、そもそも犬のちんちんはでかいのだ。あと思っていたより鴨のちんちんもでかい。
 トリシューラを来月買おう。6000円でもいいや。いやHA4を待つべきなのか……。
 ローレベルの魔法罠に苦しむ。もっと通常☆3のチューナーを出してほしい。BF-無風のパクリコンとかでもいいから。☆3のチューナー。効果なしの通常モンスター。
【私は世界を統べるべきである。そうすることで世界は幸福に満たされるであろう。】
 只の変態だ。まあ……変態が神になったりはするかもしれないけれど。
 今週の5D’s総合。
・蟹って物分りが悪い。
・ぽぷー、ぽぷー。
・トールのちんこがでかい。
・無効になるのと、破壊するのって違うんじゃないかなあ。
・10800のバーンダメージか。オーバーキルすぎる。
・オーディンは蘇生されると、1ドロー。あれ……しょぼい。
・あれ、アキさんの髪の毛って赤紫だっけ? WCS2009では茶髪だったよ?
・こんな大勢の前で、バイク乗りながら、デュエルなんてできるのだろうか。
・スターダストファントム。墓地への破壊で星屑蘇生。
・ちらちら後ろを見る蟹、なんか……うざい……。
・地デジでもいい絵だなあ。
・星屑がなんかかっこいい。
・痛そうな星屑。
・オーディンの攻撃、槍投げ。
・牙城のガーディアンきたー! まさかの再登場。
・いちいち相手モンスターの名前が憶えにくい。
・フェンリルって既にあるよな、そういうカード。
・……遊星がバトルフェイズに入らなければいいんじゃない?
・活路への希望。LP差1000ごとに1ドロー。でかいなあ。ただしコストはある。
・ライフガードナー。
・自分フィールドのモンスターを除外し、異次元の精霊を更に召喚。ただしデブ。
・シンクロし、フォーミュラシンクロ。
・クリアマインド発動。超かっこいい。
・でも……結局はシューティングスターなのか……。
・Sp-スターフォース。自分モンスター1体を除外しレベル☆かける100をモンスターに加える。
・シューティングの効果起動。今度は3枚。
・なんでBGMがこんなにかっこいいんだ。
・「攻撃がたりないんだわ」どっかで聞いた科白。
・エンドフェイズに蘇生する効果を無効化して……あれ? しないの?
・今回のデュエルは一進一退で楽しいなあ。
・神VSシンクロモンスター、って前提が可笑しい。
・デメリットはコストじゃないんだ?
・トリックミラー。相手の罠の発動を相手のカードとして利用。
・絆のテーマ、そしてシューティングを除外し無効化。
・ニヤっとする蟹。
・モンスターがフィールドから離れたとき、相手の攻撃力を0にする。
・そしてギャラルホルンの効果。攻撃力は0なので、0*3=0のバーンダメージ。
・神は除外。
・スタンバイ、メインをすっとばしてダイレクトアタック。
・ドラガンは悔しそう。でもブレイブはそうでもない。……やっぱチョリースキャラだもんなあ。
・ハラルドがドンパッチだ。

 ハラルドをハロルドと間違えていた頃が懐かしい。
 デッキを整理していた。宝玉獣は双璧と解放が必要だと感じた。無論エアベルンと猫は抜くが。解放3はほしいが、ひょっとするとアメジストキャットが耐えて、エアベルンとシンクロできるかもしれない。そしたらブリュルインの完成だ。……そんなに手札があるかどうか知らんが。月の書で終わるけれどね。
 探したけれどジャージがないので、購買部で買ってきた。そして其の侭、つまり購買部で袋に入れてもらったジャージを片手に走った。10分くらいで1周できたが、相当ばてた。脚が痛いし身体が動かない。重い身体を引きずっている感じがした。もう二度とやりたくない。じゃあ何のためにジャージに、1680円も出したんだ。
 なので走ろうと思う。脂肪燃焼のために朝晩1時間ずつ。……無理かなあ。
 ゆっくり走ったのでいいと思う。
 お風呂入った。大して体重に変化無し。
 ついったーのほうで、キョウちゃんソラちゃんみたいなことをやっていた。
「私のターン、ドロー、スタンバイ、メイン。サモプリ召喚、手札捨てて霞の谷の戦士特殊召喚。シンクロ、スターダスト。更に墓地の風と闇を除外してダムルグを特殊召喚ね。カードを3枚伏せてターンエンド」
「お前鬼畜になったなあ……」
「クイダン使ってるキョウちゃんに言われたくないよ。スタンバイフェイズ、いい?」
「なにすんの?」
「魔封じの芳香」
「げっ! ……くそっ、スタンバイ、メインまで。んー、一撃で決める。ロンファ、リリース、ティタ。バトルフェイズ、ダムルグに攻撃!」
「じゃあ次元幽閉」
「え……ええっと……ティタをリリースして無効化……」
「で?」
「じゃあ……ターンエンド」
「私のターンね。ドロー、スタンバイ、メイン。伏せていた玄米でサモプリと霞の谷の戦士を戻すね。更にダムルグ起動で特殊召喚。死者蘇生発動、そのティタニアルを貰うよ。さてと、……」
「参った。サレンダーする」
「はい、1キルでしたと」
「ソラちゃんって1キル好きだね」
「そういう時代だと思う。ソリティアよりましでしょ」
「まあなあ」
 こういうことを、アロマダムルグデッキでやってみたい。
 今日のメッセ。
名前:パクリコン@道路工事の音がうるさくてねむれない
サブタイ:確実に安眠妨害。香川県民寮並みの五月蝿さだ。
 香川県民寮のパクリコンが最初に入った1年目はうんこのなかのうんこだった。
 パクリコンの唯一の味方が、同じ階の女の子、とかね。

 クォンタムの冒険

 第1章
 第9話

 翌朝のことだった。
 子供たちを連れて食堂に行く途中で、またも告知板のところで人だかりができていることに、パクリコンとランカシーレは気付いた。
「何なのでしょうね」
「ちょっと見てくるよ。新しい情報かもしれないし」
 パクリコンは子供たちをランカシーレに任せて人だかりに紛れていった。
「お母さん」
「なに?」
 ミセラは尋ねた。
「お母さんはちっちゃい頃、髪の毛何色だった?」
「今と同じ金髪でしたよ」
「そっか……」
 ミセラは気を落としたようで、ヴァランセがぽんぽんと背中を叩いた。
「大事なのは髪の毛の色ではないでしょう?」
「でも……お父さんみたいに真っ白じゃなあ……」
 ミセラは人ごみの中のパクリコンを見ながら言った。
「遠くから見たときに直ぐ分かるからいいじゃないですか」
「でもお姉ちゃんは金色なんだよ? あたしもなあ……」
「ミセラちゃんの髪の毛も綺麗な色なのですから、自信を持ったらいいのです」
「そうかなあ」
 するとパクリコンが戻ってきた。
「あー、なんだ、ちょいあれだな、部屋に戻ってから話そう」
 歯切れの悪いパクリコンにランカシーレは不思議に思った。

 部屋に戻って錠をかけたパクリコンは、慎重に言葉を選んだ。
「どうやら、此のお城の敷地内に悪い奴が侵入したらしい」
「えっ……!?」
 ランカシーレもヴァランセもミセラも息を飲んだ。
「無論何処にいるか分からない。今全力で警備隊が探しているところだし、本当に安全なのが何処なのか分かったものじゃない。恐らく敵も、フォースを使える人たちがうじゃうじゃいる此の区域でそうそう表には出てこられないだろう。だけれど……敵の狙いは限られてくるだろう?」
 パクリコンはランカシーレの眼を見た。
「ですが……」
「大量殺戮なのか、研究の鶏鳴狗盗なのか、七選帝侯の足がかりを崩すのか、そして……此の国自体の根幹をのっとるのか」
「……」
 ランカシーレは俯いた。
「ねえ、其の悪い敵って、お城の中に居るの?」
 ミセラが尋ねた。
「お城自体の中かどうかは分からない。けれど、城庭は警備隊がいっぱい居る。寧ろ袋小路でいっぱい隠れるところの或るお城の中のほうが、敵としては“安全”かもしれない」
 パクリコンはジェスチャーで説明した。
「此のお城の中には複雑な仕掛けがいっぱいしてある。へんなところに通じたりする隠し通路や隠し扉なんてざらだ。南に向かっている筈がいつの間にか北だった、なんてこともある。此のお城の地理を把握することは難しいが……いずれは向こうも此方と同じ条件になるだろう。其れまでに、なにか有効な打開策があればいいのだけれど」
 みんな押し黙った。
「……リーゼさん、どうしてるんだろう」
 ヴァランセが意外なことを口にした事に、パクリコンとランカシーレは驚いた。いつもリーゼが来たらパクリコンの陰に隠れているヴァランセが、だ。
「リーゼさんはあれで結構強いから、きっと一人でも大丈夫だよ」
「そう……なのかな」
「ああ」

 其の頃リーゼは自室で調律具のヘラベルタの手入れをしていた。そろそろまた此れを使わざるをえないときが来るのかもしれない。そう思うと、此れが自分の最後の戦いであり、最後に調律具を振るうときであることも確信できた。
 しかし――今までリーゼには、何度も、此れで終わりだ、と思ったことがあった。神聖フィジカ帝国の樹立に成功したときもそうだった。5年前に原子力爆弾の実験をした時もそうだった。そして今、またもリーゼは自分がギリギリの位置にいることを知った。一歩間違えれば命を落とすどころではない、自分が此の国においてどれだけの影響力を持っているのか、分かっている心算だった。
 そう思うと、敵のやり方は汚いとしか考えられなかった。敵にはなにも失うものがない。リーゼのように、自分が今抱えている研究の極秘結果や政治的な位置づけ、そして神聖フィジカ帝国の柱であるということ。そういったことを無視して敵は人を殺そうとやってきたのだ。今も扉の向こうで待ち構えているかもしれない。そう思うと足が竦み、手が震える。
 だから最後に、と思い立ち、調律具を持って部屋を出た。

 神聖フィジカ帝国シュヴァルツシルト城には3つの大きな“屋上”がある。一番大きな建物は7階までしかないが、先ず其の上、すなわち8階が屋上として使われている。何も無いが、たまに天体観測をするために用いられる。そして9階、其処から更に階段で上っていったところにもまた別の屋上がある。用途は不明であり、足場も悪く何のために設計されたのか誰も知らないままだった。
 そして――10階に相当するところにも屋上があった。手すりは僅かに鉄柵があるだけで、下手をすればすぐに落ちてしまうことも考えられる。
 何のためにあるのか――其の答えはもうすぐ示されようとしていた。

 パクリコンは、ランカシーレがルーシャンに授乳させているのを見ていた。すると部屋の戸をコンコンと叩く音がした。
 一瞬部屋が静まり返ったが、やがて、
「パク君、いるんでしょ? あけてちょうだい」
という声が聞こえてきた。
 パクリコンが恐る恐るドアを開けると、リーゼがヘラベルタ片手に立っていた。
「ちょっとパク君だけに話したいことがあるんだけれど、いいかしら?」
 パクリコンはランカシーレのほうを見た。ランカシーレは軽くうなずいた。
「じゃあ、ちょっと借りるわね」
 部屋のドアをパタンと閉めて、リーゼはパクリコンを廊下に連れ出した。
「どうしたんですか? だってこんなときなのに……」
「こんなとき、だからかもしれないわね」
 リーゼはきっぱりと言った。
「パク君」
「はい」
 珍しく素直にパクリコンが返事をした。
「今の状況は分かっているわよね。パク君は部屋から出ちゃ駄目、子供たちも絶対に出しちゃ駄目よ。どうしようもないときはしょうがないけれど、でも……あのね」
 リーゼはパクリコンの眼を見た。
「パク君。私は此のお城でいろいろやってきたけれど、やっぱり、私が思う家族ってパク君だけだと思うの」
「え……」
 パクリコンにはリーゼの意図していることが分からなかった。
「だってリーゼさんにも家族や、あと甥っ子も……」
「そうじゃなくてそうじゃなくて」
 リーゼはかぶりを振った。
「私がね、今まで接してきたなかで、そして此の今のお城の中で、家族だ、って思えるのはパク君だけだと思うの」
「そう……なんですか」
「ええ」
 リーゼは続けた。
「だからね、若し私が此の戦いで、最後に敵と立ち向かったときに、ひょっとしたらやられるかもしれない。どうなるか分からないし、生きている保証なんてない。願掛けするだけの髪の毛もないけれど、そんなものには頼らない。だからね、パク君。こうやってパク君と向かい合っていられるのもあとちょっとかもしれないのよ。お願い、最後まで聞いて。だから、私はパク君とこうしていられる最後にね、……うん、後悔の無いようにって思ってね。だから……」
 リーゼはそっとパクリコンの口唇に接吻した。
「パク君。私の跡は、お願いね」
 リーゼはパクリコンに抱きついた。
「はい。でも……生きて帰ってきてください。みんな待っています。俺も、俺の家族も、それこそみんな」
「ええ」
 パクリコンもリーゼを抱きしめた。

 パクリコンが部屋に戻ると、ランカシーレも子供たちも神妙な顔つきで居た。
 パクリコンにはリーゼのやりたかったことは伝わった。だが、なにも壁一枚家族と隔てたところで言ったりしたりしなくてもいいものを、とは思った。パクリコン自身は自分のことを別に精神が頑丈でも心がしっかりしているとも思っていなかった。がしかし、リーゼの言いたいことを受け止めるだけのことはできた。パクリコンの中での、少なくとも自分の家族とリーゼに対する包容力はあるのだと、少なからず驚きながら実感できた。
「何でしたの?」
「いや、なんか……リーゼさんも戦うらしい」
 ランカシーレに問われたので、パクリコンはありのままを答えた。
「結局お父さんは言うんだから、リーゼさんも恥ずかしがってないで此処で言えばいいのにね」
 ミセラがつっこんだことを言った。
「まあそういうわけにもいかんさ。リーゼさんにだって多少の……」
「お父さんは」
 ミセラが遮った。
「お母さんとリーゼさんとだったら、どっちが好きなの?」
「え……」
 子供には理解できない事情だったのかもしれない。若しくは自分の父親をリーゼに取られるとでも、或いはリーゼの家族から見ての位置づけを確認したかったのかと、ミセラの中にはあったのだろう。
「決まってるだろ」
 パクリコンは言った。
「お母さんと、ヴァラちゃんと、ミセラちゃんと、ルーちゃんが、一番だ」
 ミセラはそれに満足したようだった。

 お城の中はいつもと違い、ほぼ全ての研究室がしめきられた。研究内容が盗まれないようにと厳重に錠がかけられ、フォースの使い手がお城の中を巡回する以外に、普通の勤務員たちは自室に閉じこもった。
 しかし、フォースの使い手が定刻ごとに点呼を取るときになると、時たま人数が減っていた。何に拠ることなのかは定かではないが、しかし確実にお城が脅かされているのだということは、誰の眼にも明らかだった。

 エルヴィンは決断を迫られた。
 クォンタム等の狙いは自分であることに違いはない。実質此の国で最強のフォースを使い、最高の地位にある自分を斃すことができれば、此の国は変わるだろう。如何変わるであれ、今までに築いてきた神聖フィジカ帝国ではなくなる。
 其れが大きな損失であることは火を見るより明らかであった。
 此の侭では確実に一人、また一人と命を奪われていくことには違いない。
 だったら早めに手を打つべきだ、そう決心した。
「敵を……屋上におびき出す。其処でクォンタムと俺が一騎討ちで勝負する。其れしか今の此の状況を打破する方法は無い。いいかな?」
「……」
 七選帝侯の誰も口を開けなかった。
「無論クォンタム等が何人か――まあ恐らくは検問での情報のとおりなら3人だろうけれど、ちょうどいい、屋上3つを使って、3人を其処に連れ出す。囮なんか使わない。俺が出れば話は早いだろう。……協力してくれるか?」
 七選帝侯等は頷いた。
「よし。それじゃあ具体的な作戦を述べる。おかしいところがあったら指摘してくれ。まずは……」

 お城の中の警備隊が引き下がった。此れで完全にお城の中の部屋を除いて、人っ子一人いなくなった、ということになるだろう。
 お城の中には拡声器でお城の内部全体にアナウンスを流すことができる。
 放送室から、エルヴィンはこうアナウンスを流した。
『我等がシュヴァルツシルト城に潜んでいるクォンタム一行に告ぐ。今からお前等の首謀者であるクォンタムと、此方のトップである俺、エルヴィンとで一騎打ちを行う。場所は大ホールの階段を上っていった先の屋上だ。俺は七選帝侯を第1屋上、第2屋上に準備させておく、が、此れはお前等に不穏な真似をさせないためのことだ。無論城内部の通路に警備員は居ない。七選帝侯もお前等に手出しはしない。クォンタムが俺と戦うことだけが目的だ。第3屋上に俺は居る。俺以外の人間は第3屋上には居ない。お前等が此れ以上無駄な殺戮を繰り返さない為にも、俺のところまで来い! 此れがお前等に対する最後の決闘だ!』

 クォンタムとダイン、エルグは掃除用具入れの中から出てきた。
「どうやら……あいつもやきが回ったようだな」
「ああ、だが罠がないとも限らない。慎重にいこう」
 クォンタムは2人を引き連れて大広間の階段を上っていった。

 屋上に通じるドアは鉄でできており、ところどころ錆がついている。頑丈で強固ではあるが、クォンタムのフォースの前では粉々に砕け散るしかなかった。
 ダインと呼ばれていた男がまず第1屋上に上った。
「なるほど……そういうことか」
 ダインは自分の調律具を構えたまま、其処に待ち構えていた4人の選帝侯と対峙した。
「次の屋上に通じる道は……そっちか」
「そうだ」
 ルートヴィッヒが答えた。
「残りの2人はそっちから上に上ってもらおう。だが、お前は此処でとどまってもらう」
「……いいだろう」
 クォンタムとエルグは選帝侯4人が何もしないことを確認しながら次の階段へと進んでいった。

 クォンタムとエルグは第2屋上に上った。其処にも選帝侯が3人待ち構えており、其々調律具を持って構えた侭二人を見据えていた。
「俺が、上にのぼればいいんだな」
「そうだ」
 アルベルトが無愛想に言った。
「ただしお前のほうはこっちに残ってもらう」
「……」
 エルグはクォンタムに気を配りつつ、調律具を構えた。
「分かった。クォンタム、後は頼んだ」
「ああ、ぬかりはない」
 クォンタムは階段を進んでいった。

 クォンタムが第3屋上にのぼりきると、其処にはエルヴィンだけが何の鎧も纏わずに立っていた。
「クォンタム、お前の目的は俺だろ?」
 エルヴィンは大剣を抜いた。
「だったら最初から俺に勝負を挑め! 何のために無駄に命を削る真似をした!? 俺はいつだって暴力に屈しないための暴力は持っている矜持だが、お前等のような卑劣で汚いことをする奴等は絶対に許さん! 此の国は俺の全てだ、俺の全身全霊で幸福にすべき、そういう義務責務のある国なんだ! それなのに……それなのにお前等ときたら!」
 クォンタムは調律具――彼のものもまた剣だった――を構えた侭何も言わなかった。
「お前が死ねば此の国は元に戻る。俺が死んだらお前等が残り掃除をして勝手に国をどうにでもすればいい。ただし! そんなことで此の国が、俺と俺の仲間の努力が、此の国の全ての人たちの人生が、そう簡単に流れると思うな! お前がどれだけの覚悟を以って此処に来たのかは知らないが、俺以上の、俺より上だという実力と覚悟がないと駄目だってことくらい、分かっているよな!?」
 クォンタムは何も言わなかった。
「いくぞ! 此れがお前と俺との、最終戦争、最後の決闘だ!」

 エルヴィンは大剣を薙ぎ払ってクォーク・グルーオンプラズマを放った。其れ等はクォンタムの立っていた地を爆破させ、原子核が崩壊した。
「……ッ!?」
 クォンタムの姿は消えていた。
「其の程度の速さとはな!」
 クォンタムは上空を舞い、そして剣を薙いだ。
 強力な重力の波動が球面上に放たれた。屋上の煉瓦は壊れ、時空が歪んだ。
「俺の重力の力で……お前を此処から突き落とし……なにっ!?」
 エルヴィンは、地こそ壊れたものの、其処に立っていた。大剣を構え、隙をうかがっていた。
「其の程度か?」
 エルヴィンは言った。
「其の程度かと訊いているんだ!」
 エルヴィンは宙のクォンタムに今度は核力から生じるガンマ線バーストを照射した。轟音とともにクォンタムの周囲の空気を焼いた。
「電磁気程度で俺が死ぬかよ!」
 クォンタムは強力な磁場でガンマ線を防いでいた。
「四色のクォンタムの異名を持つ俺の実力を見せてくれる!」
 クォンタムは降下しながら剣を突き、エルヴィンのものと同様のクォーク・グルーオンプラズマを直線状に発生させた。プラズマはエルヴィンの剣に直撃し、大爆発が起こる――筈だった。
「悪いな、色荷は俺の十八番でね」
 エルヴィンは逆のチャージのプラズマで無効化していたのだった。
 エルヴィンは接近してくるクォンタムに照準を合わせた。
「覚悟しろ!」
 エルヴィンは剣を突いて同じくプラズマを照射した。プラズマはクォンタムのど真ん中を狙っていた。
「甘いわ!」
 クォンタムは剣で両断し、プラズマを切り裂いた。弱い相互作用がプラズマを消失させた。
「そして此れが……お前の最期だ!」
 クォンタムは其の侭エルヴィンに剣を振り下ろした。弱い相互作用の力を纏ったクォンタムの剣を防ぐことができるのは……同じ弱い相互作用を持つ者だけ。エルヴィンに其の力は無かった。
「覚悟ォォォォォオーッ!」
 エルヴィンは大剣を僅かに揺らし、或る周波数の強い相互作用の波を発した。其れを契機に、クォンタムの剣がエルヴィンの大剣に触れる直前に、エルヴィンの大剣はウィークボソンに纏われた。
「なっ!?」
 爆発が生じ、クォンタムは空に再び逃げた。だがエルヴィンに通ったダメージは、0だった。
「お前……何をした! さっきまで弱い相互作用など……!」
「残念だが、俺には、精霊の力があってな」
 エルヴィンは宙で再び体勢を立て直しているクォンタムに言った。
「お前が四色といわれているのなら! 俺も其の力を得るまで! 必要なものはすべて必要とされる者のところに訪れる! 其れが此の国の哲学だ! そして……お前の弱点を見切った!」
「なにっ!?」
 クォンタムは再び剣を薙ぎ払って強力な重力波を与えた。だが。
「逆位相の波動で打ち消す!」
 エルヴィンは重力の相互作用の力を纏った剣を薙ぐことで其れ等を無効化し、更にクォンタムに貫通ダメージを与えた。
「ぐっ……!」
「お前、空中戦が得意なんだろうな、量子跳躍とでもいうべきか……其の原理も此処までだ!」
 エルヴィンは大剣を円を描くように振るい、物理定数を一瞬だけ僅かにずらせることに成功した。対象となったクォンタムの空にもはやクォンタムを支えるものは無く、クォンタムは自由落下した。
「ぐあっ……!」
 クォンタムは崩れかけの屋上に着地し、態勢を立て直した。
「俺の……ヘルメスの跳躍術が……!」
「そういう神話も人類の英知の進歩で塗り替えるまでだ!」
 エルヴィンはクォンタムに向かって駆け、そして切りかかった。
「ぐっ……!」
 クォンタムが発した弱い相互作用のバリアより、エルヴィンの大剣に纏った弱い相互作用のほうが強かった。クォンタムの剣を中心として爆轟が生じ、衝撃波が発生した。
「ぐああああっ!」
 クォンタムは跳ね飛ばされた。
「どう……なっているんだ……精霊の力だと……!?」
「ああ、そうさ、人類へのご褒美、だとさ」
 エルヴィンは多少ずり下がったものの、ダメージは無かった。
「そして其れはすなわち、自らの力に溺れたお前等の最期となる!」
 エルヴィンはクォーク・グルーオンプラズマをクォンタムに照射した。大気が連鎖爆破を繰り返しながらクォンタムの周囲の大気と地を砕いた。
 屋上が衝撃に耐え切れず、クォンタムの周囲のブロックが崩れ落ちていった。
「ちっ……!」
 クォンタムは、エルヴィンの言った量子跳躍で空を二段駆けた。
「其れは既に見切った!」
 エルヴィンが大剣で円弧を描くことで物理定数を再び変化させ、クォンタムを屋上までずりおとした。
「もうそろそろ終わりだな、お互いのビタフォースは尽きようとしている……だがそれは!」
 エルヴィンは大剣を突くことでガンマ線バーストをクォンタムに浴びせた。
「ぐううっ!」
 クォンタムの生じさせた磁場は弱くなり、ガンマ線がクォンタムの生命を削り取った。
「人類の英知の進歩に弛まぬ努力を捧げた多くの人たちの命の叫びを持った俺なら、超えることが可能なのだ! 如何いう意味か分かるか!」
 エルヴィンは弱い相互作用の力を一点に集中させ、ガンマ線で空気を電離させ、そして其の直線状にウィークボソンを照射した。平衡状態にあるウィークボソンの寿命は延び、僅かに離れているだけのクォンタムに直撃するには容易いことであった。
「こんな類の……フォースが……ぐあああああああああああっ!」
 大爆発が起こり、再びクォンタムの生命は削り取られた。脚は痺れ、腕は使い物にならなくなり、意識が朦朧としてきた。
「奇蹟なら、人類は何度でも起こしてきた。今俺が、お前に見せてやる! 此れが最終兵器! 全てを焼き尽くす万物の炎!」
 エルヴィンは大剣の先に重力を集中させた。大剣はポテンシャルによって時空をゆがめ、そして――宇宙と宇宙をつなげた。
 10の33乗ケルビンの炎がクォンタムに放たれ、其の強力な真空エネルギーによって未知の相互作用を持った粒子がクォンタムを焼いた。
「ぐああああああああああああああっ!」
 クォンタムは防ぐ手立てを持っておらず、自分の生命に終わりが来たのを直覚した。

 第3屋上で高温の炎が放たれたことにより、第1、第2の屋上に居たものは一瞬なにが起こったのかわからなかった。続いて耳を劈く爆音と衝撃波、空気のプラズマの波と真空の相転移エネルギーの放出があった。
 各々調律具で自らを守ったものの、其のエネルギーの強力さに勝るものはおらず、重傷を負うことになった。

「あの炎は……なんだったんだ……!?」
 エルグは歯軋りをしながら上をにらんだ。
 すると第3屋上からエルヴィンが顔を覗かせた。
「おう、お前等さんきゅ、無事、殲滅完了、ってな」

 首謀者クォンタムはエルヴィンとの決闘で死亡し、其の仲間のエルグとダインは投降した。クォンタムが1対1でやられたのなら、此方に勝ち目は無い、と思ったのだろう。
 エルグとダインは其の侭七選帝侯に連れられて、誰も知らない地下牢に監禁された。無論調律具は破壊され、両腕の神経を強力なガンマ線で焼かれたあとなので、彼等が抵抗できる術があるとは、全知全能の神ですら思わないだろう。

 こうして、クォンタムの起こした一連の叛乱は鎮められ、完全なる神聖フィジカ帝国の勝利となって、再び帝国に平安が齎されたのであった。
(おしまい)

怪二君の逆襲

 通称「怪逆」。普通に変換しようとすると、「諧謔」になるが、まあ諧謔的なものなので、あまり問題ではない。
 出だしはT7たちのトレーニングから始まる。雨の中ランニングをするT7だが、ルガンカが何処かおかしい。
 すると怪二から宣戦布告が来る。基地を作ったから来い、と。
 ルガンカは嘗て父を怪二に殺されたという過去を持っている。ルガンカは幼馴染のルートとボルト、そしてパスタをも仲間にして、怪二と戦うのであった。
 一戦目、VS射撃部隊。相手はライフルやビーム、スタティックなどの射撃を得意とする6体のピチトルメカだった。なんとか勝利するも、仲間が2つに分断される。
 二戦目、VSビウム。ビウムは装備反射というせこいものを持っている上、ミステリアスシーフハイドロボンブという最強(威力499)の必殺技を持っていた。最後はビウムのミステリアスシーフマシンガンミサイルバキューム(名前に自信無い)が裏目に出てビウムは自爆、辛くも勝利する。
 三戦目、VSウリウム。此の辺で物語は終わっている。
 要するに未完成なのだ。ダックD、頑張って書いてくれ。
 9時すぎに起きた。げ、雨が降ってるよ。
 適当にネット巡回していた。二つの封筒問題に関することをリア垢パクリコン垢両方に書いた。パクリコン垢で結構賑わった。もうりーにょたんも来てくれた。
 あとSSみたいなので、咲夜さんのおしっこで流しそうめんをする話の序盤のパロも書いた。エイミーをパクリコンが抱くのだ。まあそういうこと何回か……ねえ。
 エイミー可愛いもんなあ。美人だし、積極的だし、えろい。エイミー、繁殖期だからって膣舐めるなよ。
 朝餉戴いた。卵と豆腐だ。
 適当に4歳児の教育について調べている。いや、1は確かにもうすぐ終わるけれど、でもちゃんとした教育をパクリコンさんがしていたのかどうか気になる。ヴァラちゃんの精神年齢が高い気がするが、モデルとなったのはうちの従妹だ。ミセラちゃんも(別の)従妹である。ルーちゃんは何も考えていない。2では確実に重要キャラになるのにな。
 1ではあまり伏線を張っていない気がする。「次回に続く!」みたいなノリはあったかもしれないが、「11話のあそこに繋がる!」というものではない。半分くらいを情景描写にしようと思っていたので、まあそんなものだ。情景描写に伏線を絡ませるのは難しい。
 あ、ウリウムをウィキに載せてない気がする。ダックDに今度ウリウムの苗字を訊こう。
 因みにビウムの苗字は雲運だ。ウンウン、と読もう。
 QQは苗字考えなくていいから楽だなあ。

 考えなくていいというか、もとから設定されてあるもんな、レビアちゃんとユカリさんとパクリコン一家を除けば。まあこいつ等(なんていい草だ)にしたってピチせかでの応用が利くけれど。因みにまだレビアちゃんの苗字はQQでは明かしていない。変えたい、正直に言って変えたい。
 グリムロ、っていうのと、グリモワール、というのとは語源が同じだ。かといって……あそこってドイツ語圏だろ……なんに相当するんだ……。
 まあ何れ出そう。本編でも、1ではあまり大した役ではないが、21歳になったレビアちゃんを書いていると、なんか自分の中でも、
「此の子はこんなに大きく成長したのかあ」
って感心するよ。まあ生かすも殺すも作者次第ではある。此処で、
「もうQQなんて、ピチせかなんて知らん!」
とパクリコンが放り投げたら其れまでだ。そんなこと、絶対にしない。QQとピチせかはどっちも終わらせる。言い切る。
 ホビステのYシリーズに出てきた。使用デッキは光デュアルメタビ。
 デュエルマット使用率の高いこと高いこと。
 一戦目、VSアンデシンクロ。
 ただしスノーマンイーターとか入っていて結構面白い構成だった。スノーマンイーターに本当に此のデッキは弱いなあ。
パクリコン「ライオウで攻撃! げ、スノーマンイーターか……」
相手「オネスト撃ちます?」
パクリコン「そういうギャグは好きですね」
 二連敗。終わったので、エンディ1キルでもやってみた。勝てるわけがない。
 二戦目、シード。私はデュエルをしに来ているのだよ。
 だけれど以前知り合った人とデュエルできることになった。相手はドラゴン軸ドラグニティ(私は鳥獣軸ドラグニティの方が好きだ)とか里メタビを使ってきた。里メタビとかいいなあ。私はエンディミオンのほうが好きだ。エンディ1キルでは里メタビともドラグニティ(ライダー主体)とも相性が悪かった。
 三戦目、VSカエル軸水属性シンクロ。
 1セット目は相手に黄泉ガエルからのガイウス、メビウスの攻撃に耐え切れずダウンした。
 2セット目は此方のデュアルスパークで活路を開いてなんとかなった。
 3セット目は相手に次元がうまく刺さらず、押し切られた。
 結果、1勝4敗。
 三戦目の人から、メタビにするのならDクロとスノーマンイーター、序でにミラクルフュージョンを入れるべきだ、と言われた。そうしよう。でもDクロもスノーマンもミラクルFも高いんだ。みんな500円くらいする。もう此のメタビ使うくらいなら剣闘獣でやるからな。
 いろいろ買って帰る。
 ケース屋でスノーマンイーターが1000円であったのを確認した。買えるわけがない。歯車街やクレボンス、50円のアームドLV10も買う。
 イエサブでレグルスとライニャンを買った。ライニャンとか……いつ使うんだ……。
 マインフィールドを探していたのだが、岩石族になかった。後で調べたら機械族だった。そりゃ……見つからんよ……。
 R&Rでレオルドのための予約をする。最後の一枚とか助かったよ本当に。
 帰る。くたくただ。
 今日の体重は……まあ測らなくてもいいや。大して運動していないし。

 体重は83.8キログラムだった。水さえ飲まなければ……!
 明日が楽しみだねっ!
 よし、アロマダムルグ組むぞ。アロマもダムルグもないけれど、安いんだ。アロマなんて200円、キムチダムルグも200円だ。天罰200円、そろそろエンジェルパーミも完成しそうだなあ。
 明日は5D’sがあるから外にあまり出ないかもしれない。でもダムルグと天罰くらい買えそうだ。
 あとGPさんに久々にメールをした。返ってくるといいけれど。巨竜もできれば買おう。
 今日、若し大会に行っていなかったら、1-9が上げられていた。残念だ。
一輪「残念だよ……」
 リーゼさんってああいう人だと思う、みたいなのを勝手に書いているけれど、なんか本当に本人に悪いなあ。
 あとで謝ろう。いつだよ。
 魂って結局あるのかないのか分からん。パクリコンなんて六道輪廻に落とされて永久に出られないね。
 死んでからも修行が必要、というのが仏教で、死んだらみんな天国、というのがキリスト教らしい。どっちがいいとかじゃなくて、何を根拠にそういうことを主張しているのかが気になる。
 今日のメッセ。
名前:パクリコン@なかさとさんにはアホ毛があるさ
サブタイ:るみなすさんにもアホ毛はあるさ。
 そもそもるみちゃんの後ろ姿がないことにはなんともならん。
 あれ、なんでヴァラちゃんはミセラちゃんのことを呼び捨てにしているんだ。ランちゃんの教育ならちゃんづけを強いるような気もするけれど、多分兄弟姉妹の居なかったパクリコンさんとランちゃんには分からない世界なのだろうと思う。ことにする。
 一時期パクリコンはダックDのことをチップと呼んでいた。恥ずかしいから此の過去消してくれ。

消防署版!バトル・ロワイヤル

 ピチせかウィキのネズ吉の項目を消した。削除した内容は、
(あらたばねずきち)
 1987年3月14日生まれ。
 K17の一員。背中と腕は茶色い毛皮、おなかは白く、脚と尾は橙色をしている。尾にはしましまの線が入っており、先端には「Z」と書かれてある(此れはネズ吉と進化の石以来ずっとそうである)。チーズが大好物で、苗字と同じ名前の「荒束チーズ会社」のチーズを買いあさっている。ポケモンカードやその他大勢でやるゲームに精通しており、仕事中にもかかわらずゲームをしてはブチョーに怒られている。消防署員には珍しく危険物取扱甲種の免許を持っている。父親はラオさん、母親はレイアさん、姉にクリスティーヌがいる。一人称は「おいら」で、語尾に「ラッタ」を付ける。
 パーツ名は頭から順に、「イートディッシュ」「エイトプレート」「イートンサパー」「イーティンチーズ」。英単語eatの活用に、食事を示す単語をくっつけただけである。南十字座の鎧甲である。
 主な技は「荒束チーズはうまいでラッタフォースアップ」「装備反撃」「継続リペア」、ビタフォースに「爆弾暴走嵐(ボムメガサイクロン)」がある。
――もともと5年の科学にポケモンの対戦で「ネズくん」というNNのラッタが登場していたことからこのネーミングがなされた。荒束という苗字は、"a lot of"が訛って「あらたば」になった。
 こんなに書かなくてもいいよな。というかネズ吉の鎧甲なんて殆ど出番無いしさ。脂肪でぼよーん。
 もともとバトロワはダックDが製作していた。が、序盤のおなら大会で強引にバトロワに話につなげたのはいいけれど、其処からネタが出なくなったらしい。なんで急遽パクリコンがバトンタッチして話を続けた。バトロワそれだけではどうにもならんと判断し、怪二がまたも世界征服を企んでいる、みたいなことにした。ラスボスは勿論怪二で、手下にラーが居た。お前敵だったのかよ。まあ以降ラーは怪二と一緒にいることが多い。他にはオシリスとかオベリスクとかアルティメットドラゴンとかプーパなんとかシリーズとかもあった。此方はネズ吉、チフマ、ハチに加え、ブチョー、アル、ティーノという最強メンバーで向かった。
 因みにバトロワを機にしてはへんがフルメンバーで登場し、パスタも全容が明らかになった。T6はT7になり、此処で大体の土台が固まったといえる、ラー以外。
 バトル形式は普通のピチトルだった。要するに、中央の丸まで移動して攻撃、というものだ。
 ネズ吉が最後はビルを爆破しておしまい。めでたしめでたしという、初期にありがちな終わり方だった。いつからバッドエンドスクィーンドラゴンになってしまったのだろうか。
 9時くらいに起きた。レオルドからメールが来た、む、カードゲームの大会の事前予約をしてくれ、とのことだ。まあいいだろう。今日ホビステに行けたらやっといてやろう。
 雨がやんだらの話だけれど。
 夢をごちゃごちゃいっぱい見ていた。ランちゃんが出てきた。やったぜ。
 ランちゃんが料理を作っていた。
パクリコン「あのさ、本当に、……あいつと結婚するの?」
ランちゃん「それしか……もう、ないですから……」
パクリコン「訊くけれど、本当にランちゃんは其れで満足なの? 本当にランちゃんは其れで幸せなの?」
ランちゃん「ですが……」
パクリコン「じゃあ、此の頬の痣は何なの?」
ランちゃん「……」
パクリコン「ねえ、本当にランちゃんはあいつのことを愛せるの? そんなのでうまくできるなんて……」
ランちゃん「パクリコンさんには関係ないじゃないですか!」
パクリコン「……」
ランちゃん「ごめんなさい」
パクリコン「……関係、あるよ。ランちゃんのことだもん」
ランちゃん「……」
パクリコン「俺はランちゃんが今のままこうしてあいつと結ばれて、そうして悲しむ姿を見たくないんだ。ランちゃんには幸せになってほしい、他の誰より愛してくれる人がランちゃんを幸せにすべきなんだ」
ランちゃん「ですが……そんな人……」
パクリコン「……俺じゃ駄目なの?」
ランちゃん「……」
パクリコン「俺は絶対ランちゃんのことを大事にするし、一生愛しぬくって誓える。君を泣かせたりなんかしない。……ねえ、俺と何処か遠くへ逃げようよ。誰も知らない土地でさ、二人で暮らすの。そうすれば……」
ランちゃん「……パクリコンさんは、どうして、そんなふうに、他人のことを……」
パクリコン「他人じゃないよ、ランちゃんだよ? だからこそ俺は……その……」
ランちゃん「……ぐすっ……」
パクリコン「菜箸貸して。俺があと作っとくから」
ランちゃん「そんなわけには……」
パクリコン「俺だって料理くらい作れるから。どっかの誰かは作れないかもしれないけれど。……俺は真剣に、君と、駆け落ちしたい」
ランちゃん「……ごめんなさい」
パクリコン「……何度でも、君が泣くたび、傷つくたびに俺は来るから。また考えといてね」
ランちゃん「……はい……」
 そんな感じだった。
 こいつ等架空の世界でもこんな感じなんだなあ。
 見た目のランちゃんはいつもどおりだった。金髪で癖毛のある長い髪で、揉み上げが豊富だった。揉み上げが超重要なのである。
 そういえば、リア垢にランちゃんの絵をいっぱい貼ったら、ジョンジが心配してきてくれた。なんというか……ありがたいけれど、そういう意味じゃない。
 QQの服って如何いう原理で何がどうなってるんだ……?

 リア垢に、パクリコン、って名前が出せないのが辛い。誰も分からないからだ。いや、ジェミニン、レオルド、ライブルあたりは分かるのだが……。
 今日の一枚。
432.png
 結論。パクリコンはからあげ太郎さんにはなれない。

 もうちょいましなぱくりかたはなかったのか。
 メトロでツナサラダを喰らってきた。おなかいっぱいになった。胃が《収縮》したなあ。いつかは《巨大化》するかもしれない。
 5万円くらいでパクリコンの望むパソコンがあるらしい。よし、3ヵ月後には買おう。貯金しよう。街に出よう。デュエルしよう。
 レオルドとメールしていた。俺が……お前の本名を忘れるわけないだろ!仮にも9年間は同じところに通ってたんだぞ!?
 薔薇な関係ではない。当たり前だ。パクリコンは腐だが、二次腐だ。三次には興味ない。
 昨日のレティ頑張ったのに、おじゃる丸見ながら描いた藍しゃまのほうが評価がよかった。世の中どうなってるんだ。
 ジョンジがややセクハラに敏感な気がする。セクハラ、の定義から教えてあげねばなるまい。パクリコンが今までセクハラをしたことは、強いて言うなら、姉貴さんに告白するときに、肩に手を置いたところで、姉貴さんが、「強姦されるのかと思った」と勘違いしてもおかしくなかった、という場面だけである。あとは勝手におっぱい見たりパンツ見たりはしたが、不可抗力だ。そういうのはセクハラとは言わない。

 梶君が沙耶を見たがっていた。いつか描こう、具体的には明日くらいに。
 QQを書いていった。子供たちに物理を教えるのは楽しいなあ。本職……とは別に、そういうのもあった、ということでいいんじゃないかな。
 QQが10話で終わるかもしれない。まあ其れは其れでいいだろう。みんな成長していくんだ。レビアちゃんとユカリさんを如何するか、本当に迷うなあ。伏線を張るだけ張っといて其れっきりというのは寂しい。
 まあ目測としては、9話は下準備、10話で決戦、11話がその後で、12話がエピローグ、かなあ。まあなんとかなるだろう。あまり大作にはならないが、まあ0の次に1が来た、というだけでもいいだろう。
 古代の機械を調整したら強くなった。もうミラフォも死者蘇生もいらない。短期決戦1キルでやろう。

 忍たまのくノ一教室のユキちゃんが、ランちゃんに似ている……?
 というわけで沙耶を描いた。
433.png
 肉塊むずい。

 如何考えても前髪が下から上に跳ねるのはおかしい。
 散歩に行ってきた。全然いいネタが思い浮かばなかった。ただ只管、以前描いたhounoriさん風ルミナスみたいに、前かがみになって、手をグーにして、歩き続けた。ルミナスは可愛い。海外から参加した、エイリンやライニャン、シャイアが大したことなかったので、まあライロでの一番は変わらないだろう。
 ゆかりの幼虫での、所謂ペット組が動物になっていたが、あれと同じことを魔轟神獣でできないだろうか。
キャシー「にゃー!」
コカトル「すごいコケー! 亡霊を飼っているコケ!?」
チャワ「ケルベラルのところはなにか飼ってないの?」
ケルベラル「!?」
~回想シーン~
グリムロねえさん「誰か拾ってください! 誰か拾ってください!」
~回想終わり~
ケルベラル「ケルベラルわるくないよ! わるくないよぉ!」
 無理が多い。というかグリムロねえさんが何故に捨てられるのか。というか誰が捨てるんだ、貴重な女の子要員なんだぞ。
 豆腐と牛乳を買って帰る。
 体重は84.0キログラムだった。順調すぎる。いつかは平衡に達するのではなかろうか。
 今日は長袖だった。そういえば、ピチせかのランちゃんとレビアちゃんもなんかそういう長袖の服を用意してやらねばなるまい。K17とかもう知らん(好きだけど、主にライ吉が)。

 豆腐に納豆をかけて喰らった。毎回お馴染みだなあ。
 やはり社会倫理じゃなくて精神医学を中心に添えたペド撲滅を謳うべきか。
 0は容量がでかすぎて何処の新人賞にも送れないが、1ならなんとかなる。ただ印刷するのが物凄く面倒くさい。自宅のじゃ印刷しきれるかどうかわからないし、あと物語の矛盾をなんとかしたい。直すのが面倒くさいが、やるしかないんだ。
 剛健ってそんなに必要かなあ。メタビにつっこんでみたくなった。さらば、サイドラ。
 でも2000円以上も出せないよ。其れだったら、マジドッグ改を完成させるよ。クレボンスとかさあ。
 今日の一枚、3枚目。
434.png
 今朝此の構図を思いついたが、本当に微妙だなあ。ランちゃんはこんなはしたない恰好をしない。
 流れとしては、QQで、ランちゃんがパクリコンさんに、此の手紙を読んでください、と言って何処かに行ってしまう。しょうがないので手紙を読むパクリコンさんだったが、其処には、4階のテラスにおいでになってください、とだけ書かれてあった。なので4階のテラスまで行くと、こんな感じだった。という。
 どうでもいいけれど此の子の正面図って面倒くさい上に難しいな。もう二度と描かんぞ。
 おとめちっくな眼、というのはこういうのである。今更かよ。
 今日のメッセ。
名前:パクリコン@レティ愛を叫ぶ会
サブタイ:藍しゃま藍を叫ぶ会。
 藍しゃま藍、いや、愛なんて、ダックDくらいしか知らない。

 クォンタムの冒険

 第1章
 第8話

 ケベンハウン市に入るための検問においてのことだった。
「病気の父を遠山の温泉に入れるために」
と説明する若者がいた。
「病気は空気感染で人にうつり、さらに治す手立てが無くて……」
 しかし検問員は今までのようにはいかなかった。
「其の、病気の父とやらの顔を見せなさい」
「びょ、病気がうつりますよ?」
「かまわん。ケベンハウン市の安全の為だ」
 荷馬車の奥にフードをかぶって座っていた男は検問員が近付くと、歯軋りをして判断を迫られた。
「突破だ!」
 男はそう叫び、剣を抜いて検問員に切りかかった。荷馬車の前方に乗っていた男2人も武器を構えて検問を突破しようとした。
「あいつは! 重要指名手配中のクォンタム!」
 クォンタムは仲間2人を引き連れて検問を強引に切り抜け、ケベンハウン市の人ごみにまぎれていった。
「ちっ……至急王城に連絡だ! 此の町にクォンタムと其の仲間が居る、と!」
 日曜の朝のケベンハウン市は平和な彩を象っていた。しかし――其れも今日までなのだろうか。

 朝食を摂りに子供たちを引き連れてパクリコンとランカシーレは食堂にやってきた。
「今日は……なんか変なものみんな食べてるなあ。あ、大人2人と子供3人で」
 差し出されたお盆に乗っていたのは、白くて長い見たことのない食べ物と、其れにかけるための液だった。
「お母さん、此れなんなの?」
「此れはお饂飩というものですね」
「オウドン?」
「ええ?」
 ミセラも其の白くて長い物体に興味を示したようだった。
「東の方の国にこういうものを食べる文化があるのですよ。此の中の液をかけて、お野菜と一緒に戴くのです」
 ランカシーレの説明を聞きながら、子供たちも饂飩にめんつゆをかけてもらった。
「本来は茹で上がった麺を……ちょっと、ミセラちゃん」
「なに?」
「フォークじゃなくて、お箸で戴くものですからね、此れは」
「でも……こんなんだよ?」
「こんなんだから、です。お箸はこういうものを摘まみやすいように作られてあるのですから」
「だって……」
「ミセラ。ちゃんと食べられるから」
 ヴァランセが示してみせた。
「分かった」
 ミセラも観念したように食べ始めた。

 食事を終えた一家が部屋に戻る途中、告知板のところで大騒ぎが起こっていることにパクリコンが気付いた。
「何なのでしょう……?」
「ちょっと見てくる、娘達を見てて」
「はい」
 パクリコンは人ごみをかきわけて進んでいった。
「ええっと……なんだ? なんて書いてあるんだ?」
「ああ、パクリコンさん」
「レヴさん、お久しぶりです」
「あれは、反乱軍の首謀者が此処ケベンハウン市に侵入してきた、ということを書かれてありますな」
「え、クォンタムが……!?」
「クォンタム?」
「あ、いえ、どっかでそんな名前なんじゃないかって聞いただけです。うーん……」
「また、お城の外が安全でなくなる日が来るとは……」
 パクリコンは人ごみを離れた。
「何でしたの?」
 ランカシーレは尋ねた。
「此の町に悪い奴が――分かるよな?――がやってきた。検問を掻い潜ったらしい。仲間は2人だが……武器を所有しているそうだ。当面お城の外には出ないほうがいい」
「そう……ですか」
「ねえ、悪い奴って誰ー?」
「部屋に戻ったら、大体のことを教えてあげるよ」
 パクリコンはミセラに言った。

 パクリコンとランカシーレは子供たちに、クォンタムの反乱のことについて話していなかった。余計な心配をかけさせたくない、というのもあるし、子供たちに細かい政治事情を説明するのは粗不可能だろうと踏んでいたからもあった。
「とりあえず此の国の遠くの方で、或る悪い奴が此の国を乱そうといろんな悪いことをし始めたんだよ。先週あたりに其れはほとんど完全に無くなった、ということにはなったんだけれど、でも其の中の本当に悪い奴が、此の町にやってきたんだよ。だからお城の外は安全じゃない。なるべくお城の中に居たほうがいい。悪い奴等も、いずれは此処のお城にくるかもしれない」
「えー……」
「じゃあ海に行けないのー?」
「行けないね、当面は。でもしょうがないことなんだ」
「ねえ、その悪い奴ってなんて名前なの?」
「知らない」
 パクリコンは白を切った。
「でも、ヴァラちゃんもミセラちゃんも、知らない人に声をかけられたりしても、話したり従いていったりしちゃだめだよ。連れて行かれそうになったら、大声で助けを呼ぶこと。分かった?」
「分かった」
「うん」
「よし」
 そんなもんかな、とパクリコンはランカシーレに目配せをし、ランカシーレも、そんなものでしょう、と返した。
「まあ……奴等が狙ってくるとしたら……最初は……俺かもしれないなあ……」
 パクリコンは誰にも聞こえないようにぼそっと言ったかもしれないが、ランカシーレは聞き逃さなかった。

 警備は厳重に厳重を重ねられた。ケベンハウン市の中でも警察による巡回は頻度を増し、そして王城付近、城門のところの入出も厳重に取り調べられるようになった。特に武器の持込は認められず、今現在お城の中で調律具を持っているものだけが武器の所有を許された。
 王立幼稚舎、小学校、ギムナジウム、そして大学までもが臨時休業となった。あまりにも多くの子供たちを抱えるには危険すぎると判断したのだろう。
 大学での授業がなくなったので、寮でレビアは暇そうにしていた。偶にディークをくるくる回しているくらいで、実技の練習ができなくなるのが少し退屈だった。
 戸がコンコンと叩かれる。
「レビアー、入るわよー」
「いいよー」
 女友達のバレニーが部屋に入ってきた。ベッドと本棚と机だけがある、簡素な寮の部屋だった。
「外出られなくなっちゃったわね」
「しょうがないよ」
 ぱしっとレビアはディークを掴んで鞘に入れた。
「ラプテフとはあれからどうなったの?」
「どうって……一緒に買い物しただけ、そんだけ、おしまい、なんもないよ」
「そうなんだ……レビアからは何かしないの?」
「何かって?」
 レビアは偽悪的に笑った。
「分かってるくせに……」
「はいはい、でもあたしはそんなことしない、あたしのお姉ちゃんならしないかな、ってね」
「お姉ちゃんって……でももうレビアも21歳なのよ? そろそろ……ねえ」
「ねえ、って言われても、別にあたし興味ないもん。そりゃあ、まあ、向こうがなんかしたいっていうのなら、考えてやらなくもないけれど、でも……殆どラプテフのこと知らないんだよ?」
「でもレビアの其の、お姉ちゃん、って人は17歳のときに……」
「お姉ちゃんはお姉ちゃんで特別だからしょうがないよ。プローンネームは田舎だし」
 田舎だからと正当化されうるようなことでもなくなってきた昨今だが、レビアは常套句のように其れを使っていた。
「あと2年も経たないうちに卒業なのよ? 其の後どうするのよ?」
「どうって……」
 レビアの中には、単に自分の好きな人を守りたい、という願望しかなかった。
「進路調査票にはなんて書いたの?」
「まだ出してない……」
「……まあいいけれど」
 バレニーは溜息をついた。
「レビアならお城の要人警護とかそういうのしかないかもね」
「うん……でも本当にあたしの力が使いたいのは……」
「そういうのは、経験を積んでから言うの。そしたら向こうも考えてくれるから。オウケイ?」
「オウケイ……」
 レビアは窓の外を見た。

 幼稚舎が休業になったので、パクリコンは当面子供たちとたくさん接することができる、とひそかに喜んではいた。部屋に戻っても仕事の本ばかり読んでいてあまり子供たちに接してくれないパクリコンをランカシーレも問題視していただけに、これを機会に、とパクリコンも思い立ったのだろう。
「明日から暫く幼稚舎もお休みなんだって」
「なんでー」
「なんで、って……ミセラ」
 ヴァランセが指でなにかジェスチャーを伝えると、ミセラは黙った。
「そういうこと。幼稚舎でなにかやりたいこととかあったの?」
「鳥さんのご飯如何するんだろう?」
「其れは先生がやってくれるよ」
「宿題はないからいいけれど……どうしよっかなあ」
「ミセラ……こういうときに、ご本を読めばいいのよ」
「だってー」
 ヴァランセとミセラの間にも、庇護被庇護の関係が或る程度あることに、パクリコンもランカシーレもくすっと笑った。
 ヴァランセはそんな父親をよそ目に父親の膝の上に座り、紙の上に落書きを始めた。落書きと思ったのはランカシーレとミセラだけで、パクリコンは其の書かれてある内容に目を見張った。
「ヴァラちゃん、其れ、何処で知ったの……?」
「お父さんが教えてくれたのだと思うけれど」
「此れは教えたけれど……」
 パクリコンはドブロイ波長の式を示していった。
「でもこっちのは……何処で知ったの?」
 そっちには、運動方程式や共鳴回路の共鳴振動数、更には波動方程式が書かれてあった。4歳児にしては憶えるのですら精一杯であろう方程式に、パクリコンは少なからず驚いた。
「此れは先生に借りて読んだご本に書かれてあって、こっちは幼稚舎の上のクラスの子から借りたの。此れは……なんとなくだけど憶えてるだけ」
「そうか……其れは、偉いなあ……」
 パクリコンは、ソフィがヴァランセに、将来偉大なことをする子だ、と予言されたことを思い出した。
「なあ、ヴァラちゃん、君は此れ等が何を意味しているのか分かる?」
「ええっと……」
 ヴァランセは悩んだ。
「最初の此れは、簡単な物と物がぶつかったり落ちたりするときに使うので、……残りは知らない」
「うん……まあ、知らないのが普通だ」
 パクリコンは真剣な眼で言った。
「真ん中の此れはね、例えば、ヴァラちゃんが此処のお部屋と幼稚舎を行ったり来たり毎日するでしょ? 其れがどれくらい頻繁に起こるか、っていうのを説明するものなんだよ。左の此れは、とっても小さな粒がどういう振る舞いをするのか、っていうのを予測するためのものなんだ。どっちも解いて結果を出すのはとても大変だし、小学校に上がっても未だできないのが普通なんだ。なのに……ヴァラちゃん……偉いなあ。やっぱり此の子はお父さんの子だなあ」
 パクリコンはヴァランセの頭をくしゃくしゃっと撫ぜた。
「変なこと教えないでくださいよ」
 ランカシーレが釘を刺した。
「教えてないよ。全部ヴァラちゃんが自分で見つけてきたことなんだ。此れは大切にしないといけない。ヴァラちゃん、いずれ君もこういうのをちゃんと理解して解かなきゃならないときが来る。だけれど、君が望むのなら、特別に……」
「お父さん!」
「あ、はい、うん」
「特別に……なに?」
「じゃあ……一個一個教えてあげるから。其れでいい?」
「うん」
「じゃあ此の間教えたやつの続きだけれど……」
 そう言ってパクリコンは紙に9+9+9と書いた。
「此れは足し算で其の侭書いていってもいい、だけれど、9がもし6個や7個になったら、面倒くさいでしょ? だから、簡単に書く方法がある。例えば9を6回足すのだったら……」
 パクリコンが言い終わる前に、ヴァランセは、9×6、と書いてみせた。
「……合ってる?」
「合ってる。偉い偉い。もう教えることは無いなあ」
 パクリコンは笑いながらヴァランセの頭を撫ぜて、頬に接吻をした。

 ケベンハウンの全ての宿屋にクォンタムの一行(検問での一件により、他の2人の顔も割れた)の貼紙が出されるようになり、泊める客には身分証明などの詳しいチェックが課せられるようになった。
 クォンタムはボロ屋とボロ屋の間の、誰も見向きしないような路地裏に身を隠し、他の2人が来るまで待った。
「……まあ、こんなんじゃ、強行突破するしかないかもな……」
 すると一人が路地裏にやってきた。
「ダインか」
「ああ」
 ダインと呼ばれた男がフードを脱いだ。
「王城の周りの厳重さは以上だ。だが、……裏の方に一箇所警備の薄いところがあった。突撃するとするなら、あそこしかない」
「そうか……具体的な場所は?」
「地図でいうと、此処だ」
 ダインは地図を取り出し、バツ印をつけた。
「そうか、エルグが戻り次第策を練ろう」
 そのときだった。王城の方から大きな轟音が聞こえてきた。
「なんだ、エルグのやつ、もうやったのか!?」
「いや、そんな筈は……」

 お城全体にも其の轟音と振動が伝わった。
「な、なんなんだ!?」
「またですか!」
 パクリコンとランカシーレは子供たちを守りながら、揺れが収まるのを待った。
「大きかったなあ」
「また……エルヴィンさんが……」
「そうだろうなあ」
 パクリコンもランカシーレも呆れたように言った。
「敵が直ぐ其処に居るのに、よくやるよ」

 エルヴィンは土ぼこりの中で咳き込みながら現状を把握した。
 今までにないエネルギーの流れを感じた上、爆風も今までのものとは違っていた。
「な……なんなんだ!?」
 放射性元素の入っていたと思われる、つぶれた箱の上の方で、次元の裂け目ができていた。
「どう……なって……るんだ……?」
 訓練所の隅で、エルヴィンは其の次元の裂け目を覗き込んだ。
「なにか……出てくるのか?」
 すると、信じられないことだが、其処から、水色の「手」が現れた。
「くっ……!」
 エルヴィンは剣を構えた。しかし、やがて「手」の他に、「顔」も覗かせた。
「やっと精霊界が地上と繋がった、ご苦労さん」
 其れは、人類が「再び」精霊と出会った瞬間であった。

「な、なんなんだ、お前は一体……!?」
 エルヴィンは剣を構えたまま誰何した。
「僕は、素粒子、グルーオンの精霊だよ。……君が呼んだんじゃないの?」
「あ、いやまあ、俺が確かにそういうことをしたかったんだけれど……」
「さっきの瞬間、グルーオン、ウィークボソン、グラヴィトン、フォトンはシュヴァルツシルト半径内に収まり、此処の世界と精霊界の世界がワームホールで繋がったんだよ。ワームホールの維持にはマイナスのエネルギーが必要だけれど、そういうのは精霊界にいっぱいあるしね」
「そう、なのか……」
「君の名前は?」
「俺? エルヴィン……あ、待って、グルーオンの精霊、だよね? だったら……なんか証拠みたいなのある?」
「証拠? 難しいことを言うね」
 グルーオンの精霊はあきれた。
「まあいいや。其の調律具、強い相互作用を受けるでしょ?」
「ああ」
「だったら、こういうので、如何?」
 グルーオンの精霊は、手をかざし其処から膠着子の波動がエルヴィンの剣に伝わった。
「うおお、確かに此れは強い相互作用だけれど……」
「此れで、君の調律具の拡大効率は450パーセント増えたね」
「あ、そうなんだ、ありがとう……あれ、というか調律具のことは知っているんだ?」
「そりゃそうだよ。人類に最初の調律具を与えたのは、僕たち精霊だもん」
「やっぱそうなのか……」
「無論、人類に物理学を教えたのもね。相当昔だけれど」
「じゃあ文献は間違っていなかったんだな」
「そうだね」
 エルヴィンもグルーオンの精霊も笑った。
「よし、俺の実験も成功した、ということだな。あ、ちょっと待った!」
「なに?」
「精霊界への入り口って、毎回俺がこうしてあけなきゃならないの?」
「んー、いや、開けてほしい?」
「できれば、ものすごく」
「だったら、僕が今から送る膠着子の波動と同じ波動を出してよ。其れを合図に僕が精霊界の扉を開くからさ」
「そうか、そうしてくれると助かる」
「でも……今時精霊なんて居たって居なかったって一緒だよね。もう人類は僕等が居なくてもちゃんと物理学を研究できているし」
「いや、其れが……そうでもないんだ」
 エルヴィンは説明した。
「今、強力な重力波が必要で、其れを使えばよその宇宙から初期宇宙の高真空エネルギーを取り出せることができるんじゃないかっていう理論があるんだけれど……そのための重力波が無いんだ。……手伝ってくれないかな?」
「其れはできるよ」
「ほんと!?」
「僕みたいに、グラヴィトンの精霊に頼めばいい。僕から言っておくよ」
「そうか、其の話は……そうだな、今の状態が一段落したら、また本格的に頼むよ」
「今の状態って?」
「ええっとな……」
 エルヴィンは何から話していいかわからなかった。
「反乱が起きた。其の首謀者が此の町、首都に来ている。いずれは俺の首を狙いにやってくるだろう。そういうこと」
「そう……そうなんだ……」
「相手もフォースが使える。最後の最後に面倒くさいことになりそうなんだ」
「だろうね」
 グルーオンの精霊はうなずいた。
「僕とかでよければ力は貸すよ?」
「力を貸す……って?」
「たとえば」
 グルーオンの精霊は言った。
「僕の友達にウィークボソンの精霊もいる。フォトンの精霊もいる。……それくらいしか僕は知らないけれど、でも、自在に強力なベータ崩壊、ガンマ線を出せたら、役に立てるんじゃないかな」
「うん、其れは物凄く助かるよ! ありがとう、ありがとうな!」
「いやあ、人類の進歩のご褒美だと思っててね」
「ああ」
 エルヴィンとグルーオンの精霊は握手を交わした。

 素粒子の精霊と出会えたことは、エルヴィンだけの秘密となった。だが、あの爆発はなんだったんだ、という問いに対し、エルヴィンは、進捗あり、とだけ答えた。其れが何を意味するのかは、誰も分からなかった。

 夜になり、子供たちを食堂に連れて行ったパクリコンとランカシーレは、其処でエルヴィンと偶々出会った。
「近々君んところの研究に必要な、強力な重力波が手に入るぜ」
とだけエルヴィンは言って、去っていった。
 なんのことやらさっぱり分からないパクリコンとランカシーレだったが、夕餉がまたもぶっかけ饂飩であったことに関しても、パクリコンとランカシーレはさっぱり分からなかった。
「もうちょい別のにしろよ……」
 パクリコンはお箸で一本一本饂飩をつまみながら言った。

 浴場に子供たちを連れて行ったときに、ヴァランセがパクリコンに従いてきたがったので、ミセラも対抗して連れていってくれとせがんだ。
 パクリコンとヴァランセとミセラが浴場に入ると、ミセラはきゃっきゃきゃっきゃ喜んだものだが、ヴァランセはずっと無表情だった。
「でもなんでまたお父さんと入ろうって思ったの?」
 ミセラの頭にシャンプーをつけながら、パクリコンは二人に訊いた。
「だってお母さんが居ると訊けないんだもん」
 ミセラが答えた。
「え?」
「お父さんが……喋ってくれること、楽しいのに、お母さんがね」
 ヴァランセが一つ一つ紡いだ言葉を総合すると、要するにパクリコンが過度な物理学的期待を子供たちにするのをランカシーレが危ぶむことを、子供たちはあまりいいとは思っていないようだった。
「そうだなあ、お母さんは、お父さんが何やってるのかよく分かってないからなあ」
 パクリコンは笑いながら答えた。
「じゃあ教えてよ、さっきお姉ちゃんに教えてたようなこと!」
「え、ああ……あれか」
 パクリコンが困ったような顔をすると、ヴァランセも此方を見ていた。
「じゃあ……一個一個教えてあげるよ」
 パクリコンは曇ったガラスに、F=m×aと書いた。
「Fが力、mが重さ、aがどれくらい速い運動をするかっていうのでね」
 パクリコンは、地上での重力がm×gであること、其れを左辺に代入し、a=gである、というところまで説明した。
「つまり、どんな重さの物でも、同じ速さで落っこちるってことが分かるんだ」
「どれくらい速いの?」
「そうだなあ……大体、1秒間落っこちると、最初の1秒は5メートルくらい落ちるね」
「じゃあ2秒だったら10メートルなんだ!」
「うーん、ちょっと違う」
 パクリコンは言った。
「2秒だと20メートルなんだよね。段々落ちる速さは速くなっていくから」
「あ、そうか」
 ヴァランセはじっとガラスの数式を眺めていた。
「さっき……左のmと右のmを消したよね?」
「うん」
「……本当に其れは正しいの?」
 ヴァランセがパクリコンの眼を見た。
「参ったなあ、痛いところを突かれた。うん、本当は、此れは、重さがちゃんと決まっているもの、重さが0じゃないものじゃないといけないんだ」
「重さが0なものなんてあるの?」
「あるよ」
 ミセラの問いにパクリコンは答えた。
「光は其処等辺にいっぱいあるけれど、重さは無いんだ。重さは無いけれど、ちゃんとあるだろ? あとはまあ、愛情とか友情とかも、重さは無いけれど、大切なものだ」
「あはは」
 ミセラは笑った。ヴァランセも納得したように微笑んだ。

 浴場から出ると、入り口のところでランカシーレが待っていた。
「お待たせ」
「えらく長かったですね。どうかなされたのですか?」
「いや、久々に娘達と話していたところさ」
「でしたらいいのですけれど」
 ランカシーレは、子供たちがのぼせたのではないかと心配していたようだった。
「さてと、帰ろうか」
「はい」
「うん!」

 其の夜、皆が寝静まった頃に城壁の警備を担当していた二人組みの警備員が、何者かによって殺害された。そして――其処を起点としてクォンタム、ダイン、エルグが城内に侵入したのであった。
(おしまい)

ネズ吉と進化の石

 2001年1月1日から同年10月15日までで製作された、のべ315ページの漫画。製本済み。
 内容に拠ると、プリペイド通りでブチョーとともに暮らしていた太った二足歩行の喋るネズミ、ネズ吉が或る日手紙を受け取る。其れに拠ると、ネズ吉は魔法ポケモンだというのだった。否定するブチョーだったが、家の出口にはりゅう吉が待っていた――。ネズ吉の、魔法学校「解羽跡(ほぐわあと)魔法魔術学校」での暮らしが始まる。
 イルディジールフ寮ではK17のメンバー(と、1コマだけ映っていたファイちゃん)が仲良く暮らし、毎日魔法の勉強に、キジッチと呼ばれるスポーツに鍛錬するのであった。
 あんまり書いても、「大体がハリポと一緒でしょ?」と言われたらそれまでではある。がしかし、翼竜ワイちゃん初登場、融巷ロン初登場、アルティメットドラゴンのタマ初登場、P検の登場、ライ吉のフォーテーシキの石板登場、その他大勢の初登場キャラが生まれた。物語の後半になると、ネズ吉とギラを除いて、皆の語尾の単語がなくなった。
 此の物語でライ吉が頭がいいということがわかった。何故に頭がいいかはLBまで待たないと答えは得られない。
 此の物語の一番の特徴は、パクリコン作の、最後の漫画作品である、ということである。此れ以降は「漫画小説」であり、其のまた以降は「小説」である。絵の成分がふんだんに使われていたのは此れが最後なのだ。
 ダックDからは、
「俺は絵が描けないから小説でいいけれど、お前は絵が描けるんだから漫画でやれ」
とまで言われる始末であった。無論絵より文字の方が簡単なので、そっちに流れる気持ちは分かるだろう。
 因みに参考にした作品はハリポのほかに、メダロット、マサルさん、穴久保先生のポケモンなどである。……マサルさん?
 9時すぎに起きた。夢の中にYちゃんが出てくるとか……どんだけ好きなんだ。
愚弟2「Yちゃんってツンデレだよな」
Yちゃん「うっさい(愚弟2を殴る)」
パクリコン「ヤンデレだもんな」
Yちゃん「なんでや!(パクリコンを殴る)」
 別に女の子に殴られてもなんとも思わないけれど。寧ろね、聖ちゃんみたいなもろに暴力じゃないのだったら可愛いものだと思う。びんたされたことはないけれど、びんたしたことはある、女の子相手に。まあ嫌いだった奴だからなんとも思わなかったけれど。
 適当にネット巡回していた。ローズさんが娘に霊夢って名付けたいらしい。そういう心理は何処にでもあるのか。あとかぬーの嫁が幽々子様らしいので、うんぽいちゃんは幽々子様を敵対視している。ジョンジがDブレーン理論を知っていることにちょっと驚いた。
 被+1、あと15人だ! じゃんじゃん絵を描くぞー!

 しかし、「東方で」、「描きたいキャラで」、「可愛いの」がなかなか思い浮かばない。ロングレティでも描こうかなあ。そろそろ、というかもう秋だが。秋姉妹は穣子のほうが描きやすかった印象がある。普通逆かなあ。芋くささがよかった。
 買い物に行ってきた。購買部で水を4リットル買って、割引されてあったサラダを購入した。
 帰ってきて喰らう。まあこんなもんだ。雨が振りそうなのが心配だなあ、主に洗濯物的な意味で。
 以前まで脚派だったのに、脚描くのが難しすぎるのと、あとpixivで、「パクリコンさんの描くおっぱいがえろい」みたいなことを言われたので、おっぱいばっかり描いている。こうしてトウドリさんの手下はどんどん増えていくんだろうなあ。

 今日の一枚。
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 冬よ来たれ! 冬将軍の名に於いて命ずる! みたいな。
 ロングレティを描きたかっただけ。まあ、なんとかなった。実際此処までの鶴屋さんヘアーを見たことはないが、まあ無理なのだろう。
 レティは肉付きがいいから好きだなあ。
チルノ「ならレティもかえってきたりしてな」
 チルノもレティが大好きなのだ。

 レティ可愛いもんなあ。
 散歩に行ってきた。構内2周である。雨が降ったら直ぐに帰るか、若しくはもみちゃんみたいに、
「雨に降られちゃったなあ、文さん待ってるかなあ」
と雨宿りするのも一つだ。そしてずぶぬれのパクリコンに、目つきの悪い雌鶏が、
「ん」
と傘を貸すのだ。
 パクリコンも目つき悪いけれど、聖ちゃんも無愛想なときは怖い眼してるよな。
 結局雨は降らなかった。大会に行ってもよかったかもしれない。まあ風邪気味だから遠慮しよう。
 帰ってシャワーを浴びて体重をはかったら、84.4キログラムだった。
 なんかのSFの映画の吹き替え版を先に見たのだが、其処では或る宇宙飛行士たちが、
「つまり……ええと、こういう……」
「XYZ?」
「そう、それ」
という会話をしていた。デカルト座標、とか、カルテシアン座標、とかいう専門用語を分かりやすく日本語にしたのかなあ、と思って、字幕のバージョンも見てみたら、
"Well...er..."
"X-Y-Z-coordinate?"
"Yes!"
みたいなことを言っていた。お前等……宇宙飛行士なんだからもうちょい普通に専門用語使えよ。なんで3次元座標の名前が出てこなくて、そいで、XYZって言い方をするんだ。ドラゴンキャノンじゃないんだぞ。
 よし、1は13話で終わらせよう。其れくらいが丁度いい。0とか……なにが22日目だ……あれは書きすぎだ……。

 1をちびちび書いていった。よくある質問に、「結局○○は××のことが好きなの!?」というのがある。そんなの、はっきりさせないから面白いんじゃないか、というのはどうだろうなあ。作者の趣味でしかないのか。
 晩御飯の豆腐と納豆を買いに行っていた。パクリコン様の夜の優雅なひと時を買い物ごときで潰さなければならないのが悔しかった。
 最近は平成教育楽員も見ていない。問題が平成教育委員会時代に比べて簡単になったと思う。最後の漢字の書き取りは難しいけれど。
 ユカリさんを出していないことに気付いた。どうしよう。準レギュラーなんだから出すべきなんだろうけれど。最終話(便利な単語だ)で出そう。回想シーンで、パクリコンさんがユカリさんに、お嬢さんを僕にください、って言ってるシーンが脳裏を離れない。そしたらユカリさんが、条件が一個だけあるわ、どんなときでもランちゃんと其の家族を愛すること、ね? みたいにいいことをいう。そしたらパクリコンさんが感動して涙を流しながら、ランちゃんと、やった、やったよー! みたいに抱き合う。……典型的すぎるか。
 ときどきピチせかとQQとでぐちゃぐちゃになるんだよなあ。どっちで、何歳で、なにをしたか、ということに関して。
 あと、近々レオルドが来るらしい。奴は社会人だろ? まあいろいろ喋ろう。

 感極まると言い方が変わるキャラが多い気がする。
 いっぱい極を落とした。そう、特異点を囲むように留数積分すべく、こう、無限円を考えて……。
 今日のメッセ。
名前:パクリコン@しょーちゃんとめーりんは
サブタイ:素脚なのかズボンはいているのかはっきりさせたい。
 多分ズボンだと思う。

 クォンタムの冒険。

 第1章
 第7話

 反乱軍は完全に鎮圧された、と鎮圧軍の本部が送ってきた。
 反乱軍の兵士達の98パーセント以上がアーヒェンゼー湖の戦いにおいて死滅し、残りの2パーセントも重症を負った状態であった。
 反乱軍の指揮を執っていたという男が、ある掘っ立て小屋で今後の策を練っていたことを斥候は知らせてきた。斥候の仕事はあくまで情報の運搬であり、敵の殺害ではない。
 そうして反乱軍は、とりあえず軍隊としての、暴動としての組織は壊滅した、ということになった。敵の主要人物ももはや建て直しは効かない、と判断したのか、町を一つ一つ制圧していくことに関しては、あまり関心を持たなくなったようだ。
 今まで制圧してきたクーロン水道に関しては、反乱軍が消滅したことにより解放されてやがて神聖フィジカ帝国のお城から、今までの天下り的な管理者ではなくちゃんとした公正な管理者を派遣されることだろう。軍隊による警備も完備されてクーロン水道での他国との係わり合いも少しは改善されるといいかもしれない。
 斥候がもたらした情報はそれだけではなかった。
 反乱軍の中心に据えられていた男の名前が分かったのだ。
 顔とセットでばれたことにより、より一層彼は動きづらくなったことだろう。
 彼の名は――クォンタムといった。

 朝の陽射しがお城を照らし始めた頃、朝食を終えたパクリコンと其の家族が城庭に出てきた。いつもの日傘のある椅子の一角を陣取って、子供達を自由に遊ばせるのだった。
 ランカシーレが新聞を読んでいると、ランカシーレは反乱軍に関する記事を見つけた。其れに拠ると反乱軍を鎮圧したことは大成功に終わった、此れによりもう反乱はないだろう、外交的な経済事情も復旧するだろう、というものであった。
 子供達に数字の足し算を教えていたパクリコンをランカシーレはつんつん突っついた。
「此れ、此処のところを読んでみてください」
「ん?」
 パクリコンは新聞を受け取り、其の該当記事を読んだ。
「なるほど。新聞でこんな具合だったら、実際のところはちょっと漏れたかもね」
「漏れた、といいますと?」
 ランカシーレは訊いた。
「例えば、99パーセント成功することでも、新聞とかだと自信を持っていることを誇張する為に、100パーセント成功する、って書くでしょ? 其れと同じで、確かに反乱軍の鎮圧はうまくいったかもしれない。でも反乱としての根っこというか、そういう思想はまだ残ってる。実際反乱軍の首謀者が捕まったとかそういうのでないのであれば、まだ反乱の再燃の危険性はあるとみたほうがいいんじゃないかな」
「其れもそうですね……」
 ランカシーレは口許に手をやって考え込んだ。
「お父さん、9足す9足す9が分からない……」
「ああ、はいはい、此れは先ずね……」
 パクリコンがヴァランセに結合法則は分配法則を説明しようとしていたとき、お城から欠伸をしながらリーゼがとてとて歩いてきた。
「おはよう、みんな」
「あ、おはようです、リーゼさん」
「おはようございます」
「リーゼさん、おはよー」
「……おはようございます……」
 ヴァランセはパクリコンの陰に隠れながらぼそぼそ言った。
「反乱軍がなくなったから晴れて私も外に出られるわ。あー、6日ぶりかしらね。結構引き篭もってたわ。パク君とランちゃんにいい情報、ってほどでもないけれど、こんなのが来た」
「どれどれ……」
 パクリコンが紙を受け取ると、ランカシーレが覗き込んだ。
「適量? 量子? なんですか?」
「字面どおりじゃなくて、そういう名前」
「ああ、クォンタム、ってのが名前なのか」
「斥候はそういうふうに報告してきたわ。反乱を、軍として出すのではなくて、方向性を変えるんだって」
「方向性……今更如何いうふうに?」
「よく知らないけれど」
 と断ってリーゼは続けた。
「例えば、首謀者と其の取り巻きだけでケベンハウンまでやってくる。どうにかこうにかしてお城の中に入る。エルヴィンを見つける。ぐさっ、はい、完了、みたいなね」
「うへー、でもそんなにうまくいくわけないじゃないですか。此のお城は厳重ですし、ケベンハウンも警備がかたくなりましたし、そもそも顔がばれてる人がやるようなこととは思えないんですけれど」
「そう、其処なのよ。普通はそうしないだろう。だから裏をかいてそうする。ってね」
 リーゼは人差し指で宙に円を描きながら言った。
「だから関門を作るみたい。関税取るわけでも荷物検査するわけでもないけれど、そういう顔の奴が居たら其処でなんとかしろ、ってね」
「関門、ですか」
 パクリコンはうーんと唸った。
「相手の首謀者は其のクォンタムって奴で、他にも腕利きの取り巻きだの腰ぎんちゃくだの参謀だのはいるわけですよね?」
「勿論。取り巻きは2人で、あとは雑魚みたいな感じ、って言ってたわ。どうだか分かんないけれど、でも要するに、あと3人なのよ」
「あと3人、ですか」
 ランカシーレも唸った。
「軍ではないですから、関門のすり抜けは今まで以上に簡単になる、ってことですよね、相手にとってみれば」
「そういうことよね」
 リーゼは相槌を打った。
「ザルなことしなきゃいいけれど、まあ……あとの2人も其の内顔が割れるでしょうね」
 パクリコンは其れを聞きつつ、ヴァランセが9+9+9=のとなりに27を書いたので、彼女の頭をくしゃくしゃっと撫ぜた。

 関門が設置されるということで、市と市の間の、町と町の間の一本道には検問のような建物が設置された。クォンタムの似顔絵は印刷されて配られ、クォンタムと残り2人の逮捕に全力を注いだ。
 しかしクォンタムは幌馬車を用意し、残りの2人に運転をさせていた。検問が近付くと、クォンタムはフードを頭からかぶり、サラシやら包帯やらで病人に変装した。検問員が、どうしたのか、と事情を訊くと、決まって、病気の親戚を向こうの町の温泉に連れて行くところだ、と答えた。人に空気感染する病気なので、山郷向こうの、病気に効く温泉に浸かれば治るのではないか、とでまかせを喋り、検問員は病気をうつされたらかなわないと知ってか彼等を通した。
 此れが神聖フィジカ帝国によるミスの一つではあった。

 パクリコンとランカシーレとリーゼは他愛もない会話をしながら午前の時間を潰していた。
「あ、またエルヴィンがなんかやったんじゃないかしら」
 リーゼが訓練所のほうを見やりながら言った。
「エルヴィンさん……また精霊がどうとか言ってやってるんですか?」
「そうよ」
 リーゼが呆れたように言った。
「まったく性懲りも無く毎日毎日わけの分からないことを……」
「ちょっと、俺、行ってきます!」
「え、ちょ、パク君!?」
「お父さん!?」
 リーゼとランカシーレが驚いている隙に、パクリコンは訓練所のほうへと駆けていった。
 訓練所は主にフォースの実地訓練などを本格的に行う為に設けられた施設で、何千人、何万人という単位でフォースの鍛錬がなされている。
 エルヴィンは訓練所の隅っこのほうで、小さな機械をいろいろと弄くりながらしゃがみこんでいた。
「こんにちは、エルヴィンさん」
「ああ、こんちは、パクリコン君」
 エルヴィンが振り返って言った。
「どした、君もリーゼに言われて止めにきたの? 俺はやめないよ?」
「違います、逆です」
「逆……?」
 エルヴィンは立ち上がってパクリコンのほうを見た。
「逆というと?」
「あの、僕は精霊というものが仮に存在するとして、そして人類に物理学を与えたのが精霊だとするのなら、精霊は精霊界で人類が精霊界に接することのできるほどの物理学を発達させたことを待っている筈です。ですから、今我々に必要な、まあ主に僕が、ですけれど、重力を司る精霊に会う必要があるんです」
「うん」
 エルヴィンは頷いた。
「精霊界にはゲージ粒子の精霊がいると仮定します。ゲージ粒子は其々異なる力を媒介するものですが、ヴァーチャルでないゲージ粒子は全て、重力によってのみ相互作用しうる。此処まではあっていますよね?」
「そうだね。俺もそう考えた」
 エルヴィンはパクリコンの意見に同意した。
「ですから、4つのゲージ粒子を重力で束ねてシュヴァルツシルト半径以下にまで縮めることができれば、時空に特異点が生じて其処から出てくると思うんです。なにか、分かりませんが」
「……そうだよな」
 エルヴィンは小さな機械を持ち上げながら言った。
「そういうふうに書かれてある文献もあった。ゲージ粒子、特にヴァーチャルじゃないものを精霊界に送ることができれば、向こうもなにか反応を返すはずだ。そう信じた人たちが居た。俺もそうだ」
「そう、なんですか……」
「ああ。そして今、やろうとしていることは、先ず此の霧箱の中の放射性元素、ネオジム132の逆ベータ崩壊を利用するんだ」
 エルヴィンは透明なプラスチックに入った箱を示した。
「ネオジム132は逆ベータ崩壊してプラセオジム132になる。半減期はたったの1分45秒だ。だから此の中にはプラスのウィークボソンがたくさんあるはずなんだ。そして重力は地球の運動で満遍なく降り注いでいる。密度は低いが、回数の問題でなんとかなるだろう。太陽光線を浴びていればフォトンにもことかかない」
「じゃああとは……」
「そう、グルーオンだ」
 エルヴィンは大剣を構えた。
「此の大剣はグルーオンのノンヴァーチャル波動を打ち出すことができる。射程距離は15メートルから20メートル前後だ。原子核を揺さぶり、破壊し、打ち崩すことができる、強力なものだ。だから、此れ等さえあれば、回数を重ねればできない筈はないんだ」
「そうですよね」
 パクリコンもエルヴィンの手法に同意した。
「ちょっと下がっててくれ、もう一回試してみる」
 エルヴィンは箱を地面に置き、3メートルほど距離を取った。パクリコンはエルヴィンの後ろ側まで下がって、事の成り行きを見守ろうとした。
「いくぞ!」
 エルヴィンがフォースを大剣に集中させ、薙ぎ払った。切っ先から強力なグルーオンの波動が放たれ、箱に直撃した。
 爆轟と暴風が生じ、視界が一瞬にして閉ざされた。
「どう……なった……!?」
 砂埃が舞うのがやむと、視界が元に戻った。箱はぐしゃぐしゃに砕け、プスプスとプラズマがあちこちで生じていた。
「無理だったか……」
 エルヴィンは溜息をついて箱を手にした。
「毎回こんなもんさ。失敗しかしてない。そもそもシュヴァルツシルト半径の1.9かける10のマイナス38乗メートルだなんて、ちっこすぎるよな。うまく其処に入り込めばいいんだけれど、……まあ何回かやってみるさ」
「そうですよね」
「危ないからパクリコン君は帰っときな。成功したら伝えるから」
「あ、はい」
 パクリコンはエルヴィンに言われたので訓練所から出ることにした。

 訓練所から戻ると、リーゼとランカシーレが不安そうな表情で待っていた。
「お父さん大丈夫でしたか? 先ほどまた爆発が聞こえてきたもので」
「ああ、大丈夫だよ、なんともない」
 土ぼこりを払いながらパクリコンは答えた。
「エルヴィン何やってたの?」
「どうやら俺と考えていることは同じみたいでした。精霊界への扉を開くんだ、という意味で、そして其のやり方でもという意味で」
「そう……そう」
 リーゼはそれ以上言及しなかった。
「でも、あまり危ないことはおやりにならないでください。もしものことがあったら、此の子達や……私は……」
「分かってる、分かってるって」
 泣きそうなランカシーレの肩をパクリコンは抱いた。
「お父さんは見てただけだけれど、エルヴィンさんのほうがもっと危なっかしいことには違いないことをやってるんだよなあ。精霊界の扉が開く前に、事故死したら如何するんだろう」
「どうもこうも、国民には隠す、敵にも隠す、他国にも隠す、それしかないわよね」
「当面はそうですよね」
 リーゼのドライな発言に、ややパクリコンは驚いた。
「にしても、あと何回爆発を繰り返したら成功するか分かってんの?」
「さあ……? 確率次第ですから。要するにシュヴァルツシルト半径内にウィークボソンの紐を縮めて、其処にフォトンとグラヴィトンとグルーオンの波動を与えて……ってわかんないか」
「分からないわよ」
 リーゼはまたも素っ気無く言った。ランカシーレはもとより門の外だった。
「大体素粒子なんて分かってるのか分かってないのかそういう世界でしょ? なのに躍起になって……あ! ソフィさん! ソフィさん!」
 リーゼは急に立ち上がって、お城から出てきた人を手招いた。其の人はリーゼに気付くと近くに歩み寄り、ふっと笑って声をかけた。
「お久しぶり。外に出られて元気そうね」
「ええ、勿論!」
 リーゼは丁寧な口調なほうだったが、ソフィに対して尚更丁寧な言い方をするのに、少なからずパクリコンとランカシーレは驚いていた。
「あ、紹介しますね、此方がパクリコン君とランカシーレさん、そして其の子供達です」
「あ、はじめまして」
「初めまして」
「はいはい、よろしくね。私はソフィ、物性のことをなんだかんだやってるわ」
 ソフィは紅くて長い髪の毛を後ろで括っており、真紅の眼で静かに見つめていた。薄紅の服で腰に帯を巻いている。
「ソフィさんはね、マテマティカ王国から来てくれたのだけれど、とっても頭がいい方なの!」
 リーゼは燥ぐように言った。
「マテマティカ王国でちっとも解けなかった問題を解決したり、神聖フィジカ帝国でも弾性体の表面の振動の伝播や剛体の……」
「リーゼ、私のことは其れくらいでいいから」
 ソフィは制した。
「昔のことをいろいろ言ったってしょうがないわよ」
 そう言うソフィは、見たところ40歳代後半の面持ちだった。
「またまた。此れからもばりばりやってくお心算でしょうに」
「うーん……」
 ソフィはリーゼの燥ぎに応じず、しゃがんでヴァランセとミセラに目線をあわせた。
「お嬢ちゃん、お名前は?」
「あたしミセラ!」
「そう……。綺麗な子になりそうね」
「えへへ」
 ミセラも照れ笑いをした。
「さて、そちらの恥ずかしがり屋のお嬢ちゃんは? お名前は?」
「……ヴァランセ、です……」
 パクリコンの陰に隠れながらヴァランセは呟いた。
「……」
 ソフィはじっとヴァランセの眼を見つめていた。
「此の子は……将来偉大なことをする。誰もが必要とし、世界を変えるような、そういう眼をしている。いい子に育てなさいよ」
「あ、はい」
 急に話を振られてパクリコンはたじろいだ。
「休日には外に出て太陽の光を浴びるべきだ。リーゼも此の子等と同じように、ちゃんと自分の体のことも考えなさいよ」
「はい、其れはまあ」
 喫煙のことを言われたのか、リーゼは分が悪くなった。
「にしても……此の間の地震といい、さっきの爆発といい、またエルヴィンがやってるわけ?」
「そう、そうです、あれなんとか言ってやってくださいよ」
 リーゼはソフィを味方につけようとしていた。
「毎回わけの分からないことをやってて、もうここんとこそればっかりで……」
「まあ、エルヴィンの考えていることは分からないけれど」
 ソフィは一息ついた。
「でもなにも、周りから理解されなくても、自分の信念を以ってやるべきことをやるのなら、私は何も言わない。エルヴィンにもあるのだろう、そういう、今を費やしてまで得るべきものが。其処を阻害しても、エルヴィンは止まらないだろう」
「そう、ですか……」
 リーゼは一瞬呆気に取られた。
「最終定理を解くに際して私は確かに或る重要な素数の存在を確立させ、其の素数でのみ定理が正しいことを証明した。だけれど其れも此の国に来たらまるで意味がない、役に立たない。私が費やした年月はマテマティカ王国で多少いろいろ言われた程度で、其れを置き去りにして此処に来た私には、エルヴィンのように、自分の信じる道を突き進むことが本当に羨ましく見えるよ」
 ソフィの意外な発言に、リーゼもパクリコンもランカシーレも驚いた。
「エルヴィンのやっていることが成功するのか失敗し続けるのか、其れは私には分からないが、一回此の国を興すことに成功したんだ。またなにか成功すると、私は信じている」
 そう言ったソフィの眼は真紅の中に僅かながら希望の炎がともったようにも見えた。

 夜になって夕食を摂りに食堂に向かったパクリコンとランカシーレ一家、そしてリーゼは時折聞こえてくる爆音に耳を貸さないようにしながら子供達の分の食事も確保した。
 いただきます、と子供達は夕餉を食べ始めたが、パクリコンはホヤガイを突っつきながらランカシーレに千切りにしてもらうのを手伝ってもらっていた。
「いつまでたっても……」
「こればっかりはしょうがない。ほら、お母さんだってアルコール摂取すると……ねえ」
「そんなことを此処で仰らないでください」
「ご、ごめん……」
「あはは、本当に仲がいいわね、あなたたち」
 リーゼは、そんなことを言いつつもホヤガイを千切りにして野菜と混ぜているランカシーレを呆れた眼で見ていた。
「お父さん、ちゃんと食べなきゃ駄目だよー」
「食べるよ。ちゃんと食べるから。ただまあ、細かくしただけで」
「おいしいのにー」
 ミセラにまで窘められているパクリコンは宛らランカシーレの教育がどうにもこうにも自分に不利なのではないかと思い始めていた。
「こうやって細かくすれば食べられて……ミセラちゃん、ピーマンだけお皿の横にどけてあるのはどうしてかな?」
「え、だって……」
「はい、ピーマンは此れ以上小さくなりません。食べようね」
「うう……」
 ミセラも似たようなことをやっていることを見て、ランカシーレは、親子なんだなあ、と感じたようだった。

 夜、部屋にて子供達が寝静まり、パクリコンは本を読んでいてランカシーレは編み物をしていた。ランカシーレの器用な編み物棒の捌きで次々に新しい生地がうまれていく。
「冬にはまだ早いんじゃないかなあ」
 そう言うパクリコンだったが、ランカシーレが編み物をしている姿は嫌いではなかった。
「此れは秋風が吹き始めた頃に風邪を引かないようにするためのものですから」
「そうかい」
 ランカシーレは子供達が幼稚舎でどのような生活をしているのか殆ど知らなかったが、しかし子供達を思う気持ちに嘘は無かった。
「ミセラちゃんも……もう少し女の子らしく、ねえ、お父さん」
「どうかなあ。俺はああいうのもいいと思うけれど」
「誰に似たのでしょうね」
「レビアさんかなあ」
「ああ」
 パクリコンとランカシーレはくすくす笑った。
「レビアさんも大学を卒業したら、次は結婚ですよね」
「そうだよな。なんだっけ、以前聞いたけれど、名前忘れたが、なんかレビアさんのことを好きな子が居るらしい」
「へぇー、私存じませんでした。まあレビアさんならそういう子いっぱい居ると思いますけれど」
「どうだろね、いっぱい居ても、レビアさんが選ぶのは一人だ」
「そうですけれど」
 レビアの大学事情も、あまりパクリコンとランカシーレには接点が無かった。稀にユカリも混ぜて一緒に食事をすることもあったが、将来像を其処まで見据えた描像を教えてくれることは少なかった。
「レビアさんも、独り立ちですからね」
「うん。いつまでも君にべったりなのは結局は俺だけかもなあ」
「またまた」
 ランカシーレは笑った。
「私はお父さんが私にべったりなところを見せてくれたところが、本当に此処のところないと思われますけれど」
「そうかなあ。精神的にはべったりなんだよ。仕事終わって部屋に戻って、娘達やお母さんの顔を見るのが、なんというか、とても安心できてね」
「そうですか。家庭作りの職が全うできているようで、私は安心しました」
「お母さん以上の母親なんて居ないさ」
「そうかしら」
 ランカシーレはパクリコンのほうを見上げた。パクリコンも読書を中断してランカシーレのほうを見ていた。
「あ、お父さん」
「なに?」
「ちょっと……お顔のところに……」
「え?」
 ランカシーレが近付き、そして何気なく接吻を交わした。
「な、な、なんだよ、そうするならそうするって、言ってくれればいいのに」
「えへへ、たまにはいいかなと思いまして」
 パクリコンはそんなランカシーレを心から愛おしく思うのであった。

 反乱軍は完全に鎮圧されたが、其の残党、特にクォンタムを中心とする3人の男達は確実にケベンハウンの町へと忍び寄ってきたのであった。
(おしまい)
プロフィール

パクリコン

Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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