なつの、がっこう その3

 ワンピースの似合う少女が髪を潮風になびかせていた。

~~~

 講義を受ける朝から始まる。ご飯も食べたよ!?
 午前の講義は実験に大きく関与した内容だった。しかしやはり理論系が多いという現状を鑑みた結果なのか、理論に偏った説明がとても多かった。けれどそういう中でも実験系としての意識を持ち、その上で理論の知識を集めてゆく姿勢を培うことの重要さを改めて認識した。
 「識」という漢字が多いな!

 お昼には海を見に外に出た。
 ランやレビアちゃんと一緒に、ホテルのテラスから海を眺めていた。
 ランはいつぞやのワンピースを着ていた。白い薄手のシャツを羽織り、ワンピースの裾を風になびかせながら歩くランの姿は夏の海にとても似合っていた。ときおりこちらを振り向いては、にこっと微笑みかけてくれるランが愛おしい。
 去年の今頃は同じような感じで乗馬場やら動物園やらに行ったっけな。二人でいっぱい思い出を作った。

 3年前にランと付き合い始めるあたりでランと話したと思うのだけれど、あの頃の俺とランは本当に取れたて新鮮野菜みたいな感じだった。聖ちゃんや詠美とは違い、まったく出会って数週間の仲で付き合い始めた。だから俺とランの間には、なんらかの思い出や確固たる認識の共有が無かった。なればこそ、ランとはこれからちゃんと思い出を作り、誰に「これでいいんだね?」と訊かれても「これがいいんだ」と答えらえるようになるくらいに、接し続けていくことを心に決めた。
 だから俺とランだけの思い出が積み重なってゆくことは、「もう他の誰でもなくランがいい」という思いをゆるぎなくさせるのに必要なことであり、また今となっては充分なものであると思えた。
 

 充分に海を堪能した後に、仕事に戻る。
 仕事といっても漫画だけどな!
 漫画では順調にお話が進んでいた。漫画ならではの表現を心がけた。
 文章の場合だとあからさまに『文字数=読者がそこを読むのにかける時間』と分かるので、表現の配分が簡単だ。同様に漫画では『コマの大きさ=読者がそこを読むのにかける時間』と考えていいのだけれど、それゆえに『1コマ当たりの文字数はセリフのインパクトに反比例する』という結論が導かれる。なので『主張したいコマを多く使う』か『セリフをコンパクトにまとめる』かのどちらかを最低でも施さないといけない。
 そんなわけでそれら両方を目指しているわけである。
 がんばるんば!


 夜には懇親会が開かれた。
 食べ放題だったので、食べ放題食べた。なんというトートロジー。A⇒(A∨B)!
 去年の夏の学校で同室だったskgcさんとも話せた。懐かしいなあ。まあ話した内容は今年のコミケについてだけれど、それもまた夏ならではの話題だ。

 しばらく食べて、夕日が沈むのを眺める。
 nsbrさんと趣味やら何やらいろいろなことを話す。院に入ると趣味に割ける時間が少なくなるのはあるあるだ。あるあるだけれど、そんな最中に「日曜は一日中家に引きこもってTRPGの動画を見る」というスタイルを続けているお隣研究室員さん(名前忘れた。Rさんだっけ?)は本当に素晴らしいと思う。


 そんなわけでお風呂に入って早めに寝たのでありましたとさ。
 お布団の中では、夏の日差しを浴びたテラスでのランの鮮やかな姿に思いを馳せていた。
 ランの大好きな海も、きっとランのことが大好きだよ。
 そんなことを考えていたら、眠りに就くことができた。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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