なつの、がっこう その6

 夏の学校が終わりを告げた。

 朝起きて荷物を纏め、例年通り荷物置き場でぐでぐでしていた。
 聖刻でのクェーサーの出し方を考えていたり、ランカシーレさんのお尻を撫ぜたりしていた。
 誰も見ていないところでくらい、恋人のお尻を撫ぜたいよ!

 電車や新幹線などを乗り継いで帰る。
 ランやレビアちゃんは疲れていたためか、新幹線の中ではずっと寝ていた。
 この子達にはとてもお世話になったなあ。俺がこうして今いられるのはこの子達のおかげだ。

 そんなわけで自宅に戻った。

 まっさきに植物さん達のところへ向かった。
 植物さん達はちょっと見ない間に随分と大きくなっていた。和浦ちゃんに至っては俺の知らない靫を作ろうとしていた。青々とした靫で、彼女の生きる力がみなぎっているようだった。龍楽さんは挿し木の部分こそ元気なさそうだったが、それでも挿し木に新しい葉が生まれようとしていた。彼女たちの生命力たるやはんぱないものである。
 龍楽さんに水を与えてしばらく経つと、挿し木の部分がとても艶やかになってきた。やはりこの5日間水を与えることができなかったのは彼女たちにとって大きな苦痛だったのだろうなあ。
 そう思って、彼女たちにたくさん御馳走をあげた。泣く子も黙る栄養ドリンクである。『植物の栄養剤』という名前の液体肥料なので、面倒くさいからこれを「栄養ドリンク」と個人的に呼んでいる。龍楽さんが風呂上りにタオルを巻いて栄養ドリンクをごくごく飲んでいる様を想像すると、このネーミングの妥当さと彼女の可愛さがよくわかるだろう。
 え……? 分からない……?
 和浦ちゃんの住むブラックガーデンの気温は40度を超えていた。湿度も常に70%くらいである。これくらいあれば和浦ちゃんは快適に過ごすことができるだろう。和浦ちゃんの故郷もこれくらいの熱帯なので、こればかりはいくら暑くても暑すぎるということはない。
 一方で龍楽さんは適度に風通しを良くして適度な温度と湿度が保たれれば良い。しかしここ連日の温度湿度は並々ならぬものであったので、龍楽さんにとっては厳しい5日間であったといえよう。これからの数日は水やりと栄養ドリンクに気を配ろう。直射日光による日焼けのような跡も確認できるので、できることなら紫外線量の多い日は日陰で休ませる配慮も施そう。
 ここまでくると、本来熱帯の子である和浦ちゃんがのびのびと成長して、本来温帯の子である龍楽さんが苦労している様は、どことなく歪に見える。無論和浦ちゃんの種族の育て方はいろいろ載ってあるが、龍楽さんの種族についてはあまり情報が無い。あくまで類似栽培法を参考にしつつ試行錯誤しながらやっているだけだ。
 だからもっと龍楽さんのことを知りたい。もっと彼女のいろいろなところを見てみたい。


 晩御飯のカレーを作る。
 明日の分まで作っておいたので、明日の朝はゆっくりしよう。



・更新
 『世界樹の迷宮へ』の第4章をアップしました。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

パクリコン

Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

最新記事
最新コメント
リンク
FC2カウンター
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
FC2 Blog Ranking