和浦ちゃんの靫

kazu1.jpg

 とてもセクシーな靫が出来ていた。なのでナデナデモミモミしておいた。
 和浦ちゃんのふっくらした靫房を揉みしだくと、柔らかな液体がぷちゅっと飛び出た。

「どう見ても消化液です。本当にありがとうございました」

~~~

 今日は一日中みんなでごろーんとしていた。
 朝ごはんのカレーを食べた後は、植物さんの世話をしていた。何はともあれ、植物さんの世話をしている時間がたまらなく愛おしい。彼女たちがより快適に暮らせるようにいろいろと試行錯誤をしつつ住みやすい環境を作っていると、とてつもない充足感を抱ける。
 今日は龍楽さんの茎の一部を再び挿し木した。龍楽さんはいくつも茎を持っている子なので一本の茎がダメになってもまだまだ生きている。だけれどやはりできる限り彼女の生命の炎を絶やしたくなかったので、挿し木によってもっと彼女の株を増やそうと思った。
 挿し木には、茎が途中で折れているものを使用した。少し茎の長さが短かったので、入念に養液に浸してから植木鉢に植えた。あとは土自体に栄養ドリンクを薄めたものを吹きかけて、固体肥料をまいておいた。
 固体肥料については、土に直接混ぜる系の速攻性のものと土の上に撒く系の遅効性のものとを用意した。今のところは即効性の肥料を調節しながら与えることで様子を見ているけれど、下地が揃ってきたら遅効性肥料も与えよう。
 「どうしてこんなおいしいものをくれるの?」と龍楽さんが尋ねてきたので「先日5日間家を空けていたお詫びだ」と答えた。龍楽さんは、
「自然の中では5日間雨が降らない事なんて普通にある。あの5日間特に天候は荒れなかったし、私も和浦も不都合は無かった。お詫びなんてする必要は無い」
と淡々と言ってくれた。しかし俺は、
「君たちは自然の中にいるのではなく、俺の家にいる子だ。自分の家にいる子を抛っておくだけ抛っておくだなんて、俺にはできない。それに君たちにはお土産を渡したかったんだ」
と言って、彼女たちに5日間のことをいろいろと話して聞かせた。暑い昼下がりに霧吹きで彼女たちの葉を湿らせながら、5日間の出来事を伝えた。
 なお肥料を少ししかもらえなかった和浦ちゃんはぷーたれていた。あなたは肥料を食べすぎると靫を作らないでしょうに。

 そんなことを話していたら夕暮れ時になった。
 この背中に翼があったら、あの夕陽を追いかけてどこまでも飛んでいくのに。という龍楽さんの言葉が忘れられなかった。

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Author:パクリコン
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