小さな器と大きな靫

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 そろそろ植え替えすべき頃合いだろうか。

~~~

 研究所のサマースクール3日目である。
 ランとレビアと和浦と龍楽に挨拶をした後に出かける。
 お風呂場にもみちゃんがいるけれど、奴は……まあ風呂に入っているしなぁ。

 今日はいろいろな角度でのコンプトン散乱後のガンマ線のスペクトルを取った。
 うまくいかない場合は適当にスレッショルドをいじったりMCAを変えてみたり強いソースを使ってみたり、と試行錯誤を繰り返しつつ、なんとかデータを集めた。
 夜の10時までかかったが、研究者のこういうフリーダムなスタイルはあながち嫌いではない。

 まあ、それに今回はバイト代が出るしな。
 1日でいちまんえん稼げるというのなら、こんなもんだろう。

 帰りの電車の中でスライドを作る。
 完全に研畜である。
 こーゆーの、キライじゃないぜ☆

 ただまあ、自宅に帰った際にレビアちゃんからいろいろと叱られた。
 人はヤケになった時には判断力が鈍るから非効率的な手段を選びがちになるよ、とか、良かれと思ってだなんて言わないけれどパクリコンさんが身体壊したらあたしはヤダよ、とか、「○○しなければならない」という表現は自分を追い込むからなるべく口にしないで、とか言われた。
 レビアちゃんはランと違ってド正論を言わない。あくまで彼女は「この選択はあなたの自由だけれど、あたしはこれがいいと思うよ」とか「客体的な視点ではこう映って見えるよ」という言い方を用いる。きつい口調ではないけれど、
「じゃああたしがついていっても文句言わないでね」
くらいの姿勢で迫ってくるので、なんだかんだでやりこめられることは多い。
 だけれどやはりレビアちゃんがそう言うくらいなのだから、おそらくランはもっと俺に言いたいことがあるのだろう、……と感じ取れた。多分ランが直接俺に言うとなんだかんだで歯止めのきかない言い方になるからレビアちゃんを通した――という風に思えた。

 レビアちゃんは、おそらくそれくらいにランからの想いを託されているのだろう。
 そんなレビアちゃんの言うことに、俺は素直に従うことにした。

 そういう一日だった。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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