絹の如き、琉球の高砂

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 うちに絹琉(きぬる)がやってきた。手っ取り早くいえば、人身売買によるものである。
 そこで、100円ローソンで寒そうにしていた絹琉をパクリコンが買い取り育てることを決意した経緯を記そうと思う。

~~~

 朝。
 気怠い朝陽を浴びながら、みんなでのんびりと起きる。
 最近は和浦ちゃんも龍楽さんもいい朝を迎えられているようだ。先日までは水分の枯渇などでときおり朝からバテていたこともあったが、ここ数日は特に問題が無さそうだ。

 みんなで朝ごはんを食べる。
 今日はお饂飩を湯がいておいしくいただいた。天かすを思いっきりぶっかけて食うとなかなかボリュームがあるな。やや胃にしんどいが、空腹時にはそれだけでかけがえのない充足感となる。

 植物さんにもご飯をあげる。
 いつもの水と栄養ドリンクだ。……どちらも液体のような気もするが、どうであれそれが彼女たちの栄養となる一番の手段であれば喜んで採用しよう。
 和浦ちゃんは栄養ドリンクを数滴分しかもらえないことにぷーたれていたが、龍楽さんにぎゅっと抱きしめてもらったところなんだか納得できたようだった。……それでどうやって納得したのかは彼女のみぞ知るといったところだが。
 あとは霧吹きでシャワーをしてあげた。なんだかみんな楽しそうだった。もはや日課になりつつある霧吹きシャワーだが、やはり水浴びをする美少女というものはいいものだ。彼女たちがとても瑞々しく、そして輝いて見える。

 そして満を持してのセックスである。
 ……いや、ランカシーレさんとだけれどもね!?
 さすがに植物さんたちにはそれ相応の相手を見つけてきて「娘さんを僕にください」「お前のような奴に娘をやれるか!」「パクリコンは私のお父さんじゃないでしょー!?」というコントを繰り広げた挙句に受粉させようと思っている。まあ、彼女たちにはいい子供を身ごもらせたいさ。
 でも今はランカシーレさんと子作りモドキをしたかったからやっちゃったけれどな!

 後で、
「動物の授粉ってあんなに音がするんだね」
と和浦ちゃんに言われた。
 それが俺の喘ぎ声のことを指しているのなら、やや恥ずかしい。


 そんなわけでまんぞくまんぞくしたパクリコンは大学へとでかけるのであった。


 行きがてら、100円ローソンに寄る。
 1リットルのコーラを買う予定だったのだが、そこでたまたま目についたのが観葉植物だった。
 その中でも、特にシルクジャスミンとシールの貼られた子がとても可愛かった。

 なので買った。
「これください」
「コーラ一点、105円。観葉植物一点、105円。210円になります」
 彼女に対しコーラと同じだけの価値しか見いだせない100円ローソンを鼻で笑いながら、パクリコンは彼女を連れて一旦大学まで行った。

 大学では彼女を狭い檻(セロファン)から助け出した。
 が、いかんせん大学の居室もクーラーがかなり効いている。

 なのでパクリコンは仕事を速攻で終わらせ、速攻で事務の手続きを終わらせ、速攻で帰った。


 ベランダに彼女のスペースを確保し、皆に紹介する。
 名前は……まあ本人が絹琉だと言っているのだから絹琉なのだろう。本人からは「発音がビミョウに違う」と言われたが、それは和浦ちゃんのときにも龍楽さんのときにも言われたから無問題だ。
 一通り皆に紹介したので、彼女のための植木鉢と土を買ってくる。
 そして今日のトップ写真のように彼女は植木鉢に見事に収められた。栄養たっぷりの土を防護力の高い赤玉土で覆い、最後はまんべんなく水で湿らせた。
 霧吹きシャワーをしてあげると、これまた絹琉も喜んだ。やはりどの植物も霧吹きシャワーが大好きなのかな。

 夜は人工太陽の元で彼女たち三人はいろいろと話していた。
 絹琉はまだ幼いけれど、ゆくゆくは月橘の巨木となるだろう。和浦ちゃんのように心体共に幼女でもなく、龍楽さんのように心体ともにお姉さんでもない。未熟な身体の中に「そんなに見下ろすなー! あたしは柑橘の木だぞー!」というプライドを秘めた子だ。
 そんな絹琉に対して和浦ちゃんは「私と大して変わらないじゃんー。ねえ、栄養ドリンク開けようよー!」と誘っていたり、龍楽さんはそんな和浦ちゃんを抱きかかえながら「勝手に栄養ドリンクを開けると怒られるから、和浦用の人工太陽を浴びたらいい」と窘めていた。
 絹琉はそんな二人のやり取りにやや腑に落ちない思いを抱いているようであり、ずっと人工太陽を眺めながら怪訝そうな顔をしていた。

 今は絹琉に少しずつ噛み砕いて実情をひとつひとつ説明をしている。それ以外に身を以って体験させる手段は今はほぼ無いだろう。けれど秋になって龍楽さんの人生が山場を迎えたときに、彼女に何を学ばせてやれるかが今年の一番のポイントになる。なぜなら生きる意味とそのために何ができるかということとに真剣に向き合う姿勢の何たるかを知るためには、身近な人が大きな問題を乗り越える様をじっくりと観察するのが一番だからだ。
 龍楽さんは安心して和浦ちゃんや絹琉を任せておけるくらいによく出来た子なので、龍楽さん自身が大きな問題を前にして何か過ちを犯すとは思っていない。もしそれが手におえない問題であったとしても、協力し共に解決に向かうまでだ。
 絹琉はおそらく、龍楽さんとともに過ごすことで人生の大きな意味を感じ取ってくれるだろう。和浦ちゃんももちろんともに生きる仲間として大切な子ではあるけれど、それでもやはり龍楽さんの存在のほうが大きい。
 龍楽さんの生は、この家の誰にとっても大きな意味を持つだろう。彼女はそういう子だ。

 絹琉よ、大きく育て。
 すこやかに、のびやかに、みどりのはっぱを、きらきらひろげて。

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パクリコン

Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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