のうかになりたい

 比叡さんが体育座りをしたままうつろな目で雑草を引き抜きつつ、
「農家になってお姉さまを育てたい。お姉さまを収穫して生きていきたい」
と呟いていた。

 比叡さんがとてつもなく魅力的な子に思えた。間違いなく戦艦の中では群を抜いて素晴らしく愛らしい。
 大井っちと加賀さんと比叡さんは完全に同性愛をこじれせてしまっているので「私には私の世界があるから、たとえ結ばれなくても幸せ」「ストライクゾーンが広すぎるが故の迷いに心が乱されてつらい」「お姉さまに近づく男なんて全員私が寝取ってしまえばいいんだわ」という心境に至っている。とても生き生きしていて人生を謳歌している様が非常に頼もしい。
 彼女たちならおそらく大東亜の平和を守る云々の因習をぶち破って「私と北上さん/赤城さん/お姉さまだけの楽園を創る!」という気概のもとで戦ってくれそうだ。そういうお話、大好きだぞっ。

~~~

 朝。
 植物さん達に水と栄養ドリンクのご飯を振る舞い、ランとレビアちゃんには朝食を作る。毎日適当にアレンジを加えつつ作っているので、だんだんと料理のバリエーションが増えてきた。昔のこち亀で「3つの料理を朝昼晩食っていけば飽きずに生きていける」という両津のセリフがあったけれど、自炊を始めたころは「3つの料理を作る」ということだけでも難しいと感じていた。しかし今ではすんなりと冷蔵庫にある材料で「昨日とは違うもの」を作ることができるようになった。
 これで一人前の主夫に一歩近づいたぜ!

 レビアちゃんからは、
「パクリコンさんってヒモ属性ばっちり完備なのに、どうして年下のあたし達となんだかんだやってんの?」
と言われる始末である。
 仕方なく俺は「年下に養ってもらうのもありかな、と思ってる」とかなんとか返したけれど、隣にいたランカシーレさんはツヤツヤした表情でにこやかにこちらを見ていた。
 うおっ、まぶしっ!


 全体的に寝不足真っ盛りな中でシミュレーションに終止符を打った。
 「これがオレの設計図だッ!」といえるものができた。
 ……否、なんだかんだ計算した後に初めて「これがオレの設計図だったのか!」と気付いたものであった。
 候補はごまんとあろうとも、その中に潜む珠を見つけるのがオレたちフィジシストのデュエルなのさ。


 そんなわけで報告を済ませ、久しぶりにクッキーを焼く。
 クッキークリッカーもそうだけれど、『魔理沙とアリスのクッキー☆Clicker』という『東方と淫夢をコラボさせた動画』をもとにしたネタ満載の二番煎じもなんだかんだとやっている。
 本家クッキークリッカーでは「反物質凝縮器:95個」という段階までこぎつくことができた。反物質凝縮器を100個揃えてアップグレードを買い、1ペタ枚のクッキーを抱えてリセットをした後に15回以下のクリックで100万枚のクッキーをやけばほぼパーフェクトである。ながら作業でやっていたのであまり効率は良くなかったけれど、一応最後の最後まで見届けられそうな目途が立ったのはユーザーとしての一番大きな達成感を約束させてくれる。


 pixivに「木曾がかわいすぎて生きてるのが辛い」タグがあった。
「ああ、やっぱり木曾は可愛いんだなあ」
と再認識できた。
 木曾といえば、スキンシップが大事だという変わった認識を持ち、そのスキンシップの中で提督を気遣ってくれる優しさもあり、戦闘ではちゃんとメリハリをつけて凄まじい攻撃性で敵を威圧して、「俺には水上機なんてものは要らない」とバッサリ自分の強さを明確にしている。常に「オレはこう感じる。オレはオレの正しさを貫く」という姿勢で物事を見て、「俺の求める強さとお前の求める強さは似ている。気に入った」という具合に他人を(たとえそれが敵であろうとも)認めている。球磨という圧倒的パワーを持つ姉や大井・北上の雷巡コンビと比べると、水上機すら持たない木曾自身にはハンデがある。それゆえに「オレにはもっと強さが必要だ」という意識がより一層強まったのだろう。そんな中でキスカ島撤退作戦に多摩とともに当たる際に、「下手すればオレは弱いまま終わってしまう」という危機感も抱いたことだろう。今の木曾の背景には、強くならざるをえない宿命が克明に刻まれている。そんな木曾が「怖いのか……?」と提督を気遣う際に見える彼女の深奥の意思がとても魅力的に感じられてきた。
 なので木曾の魅力をアピールするためのタグが存在すること、なかんずく彼女の可愛さをアピールするものがあるということ自体がとても微笑ましく思えた。
 木曾の未来は明るい。

 同じように、艦これスレで山城の魅力を語っているレスを見かけたときにはほっとした。あの山城にすら魅力を感じられるのであれば、もう言うことは無いだろう。あの世界の子は皆ちゃんと愛されるべき人に愛されているはずだ。
 自称主人公のふぶ何とかさんも、たぶん、きっと、おそらくは、ぷろばぶりー……。


 夜には和浦と絹琉を中に入れる。
 しかし龍楽自身は「外気に当たらないと花が咲かないから」と言って、寒い夜を外で過ごすと決めていた。俺は「おだやかに寒さに慣れていけばいい。今は家の中でゆっくりと花を咲かせる方向に向かえればいい」と説得してみたけれど、彼女は既に意を決していたようだった。
 俺自身にはとりわけて「花が咲いて散ってしまえばそれが彼女の最期だ」という意識があったからではなかったのだけれど、やっぱりここ数日の急激な気温変化は彼女にとって酷だろうと思っていた。けれど「それも含めての大自然だから」と言う彼女には勝てなかった。
 彼女は俺が思っていた以上に立派なアイタデだった。

凍えそうな季節に君は 愛をどうこう言うの
そんなのどうだっていいじゃない冬のせいにして 歩んでいこう
 一歩一歩、人生の終焉に向かって。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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