白雪姫、改。後編3

 小人たちがが王城に向けて出発する日がやってきました。

パクリコン「よし、みんな! 各々思いはあるだろうが、いざ王城に向けて出発だ! これから俺達は国王を退位させるための行動に移る! 退位させる、とは言ったが実際やってみないとどうなるかは分からない! 下手をすれば殺すことにもなるだろうけれど……一番の目的はこの国を創りかえることだ! そのために国王を排除する! よし、各々準備の報告をたのむ!」
エルヴィン「まずは私から。王城までの地図と馬車を用意しました。そのほか王城の中の地図、警備の人数および配置、どこにどういう身分の誰がいるかなどをまとめた資料も人数分準備しました」
パクリコン「とてもありがたい! 次!」
レビア「あたしは武器を用意したよ! 人数分の剣とボウガン、それに爆薬と雷管を準備したから持って行ってちょうだい!」
パクリコン「めっちゃありがたい! 次!」
ライキチ「俺は折り畳み式の移動具を作った。簡易縄梯子と鉤縄、浮橋、壊錠道具と磁石程度しか間に合わなかったが、今回の作戦には支障が無いはずだ」
パクリコン「すんごくありがたい! 次!」
ラー「食料を作っておいたってーの! 簡易的だが、一食に必要な栄養を摂取できる草団子を一人につき十個ほどこしらえたってーの! これで少なくとも城内の台所にありつくまではなんとかなるってーの!」
パクリコン「大変ありがたい! 次!」
ワイ「城内をうろつくときの服を作ったのさー! 人数分の黒装束と、それからパクリコンとレビアのために城内の兵装と下女の服があれば大抵なんとかなるのさー!」
パクリコン「非常にありがたい! 次!」
ロン「はわわわ俺はたいしたことできてないけれど、いざってときのために応急治療ができる薬と道具は揃えたぞ! あと抗生剤の役割をはたすエキスをコケやカビから抽出して錠剤にしておいたから、手軽に持ち運べるとおももももう!」
パクリコン「この上なくありがたい! 次!」
ヒジリ「……」
パクリコン「あ、ごめん。ひーちゃんは今回は別に何もしてなくっていいよ」
ヒジリ「……いえ。何もしないのも癪なので、かたびらを作っておきました。あとは手や膝を守る防具と、縄を掴んだ時に滑らないようにする布と、それから粘着性の高い壁登り用手袋と、それから……」
パクリコン「ひーちゃん……!」
ヒジリ「……まあ私がでしゃばってもしょうがないのは事実ですね。なので使いたかったら適当に使ってくださいってことにしておきます」
パクリコン「ありがとう。なんだかんだでひーちゃんはひーちゃんだ。感謝する」
ヒジリ「フン……柄にもない」
パクリコン「ええと、それから準備としては……」
ランカシーレ「はい。私は以上の道具を仕舞うための特殊な繊維で出来た袋を作っておりました。これは伸縮性の無い繊維ですが、引っ張り強度、耐熱および防水に優れており、ちょっとやそっとの刃物では貫けないようになっております」
パクリコン「えっ!? ラン、なんでこんなもの作れるの……? だってこれ……絹でもなければ木綿でもないような……」
ランカシーレ「はい、たしかにこれは絹でも木綿でもないものでございます。なぜならばこれはナイロンと呼ばれるものであり、石炭と水と空気から合成されるものでございます。正確には繊維なる範疇には無いのですが、王城で研究が進められていたものを応用しただけでございます」
パクリコン「そうなんだ……! ありがとう、ラン! これがあれば全部仕舞える! 君のおかげだ!」
ランカシーレ「いえ、そんな」
ライキチ「……」
ヒジリ「……まあこんな調子でしょうね」
ライキチ「まあパクリコンはパクリコンだからな」
ヒジリ「……」
ラー「……でだ。パクリコンは何を準備したんだってーの?」
パクリコン「へ?」
 パクリコンはきょとんとしました。その様にラーやワイは軽蔑の眼差しをあびせました。
ラー「ひょっとして自分だけ何もやってないのかってーの?」
ワイ「仕切っている割に貢献度が低いのはどういうことなのさー?」
パクリコン「いや、待て、お前ら一番大切なことを忘れている」
ラー「何だってーの?」
パクリコン「それは王城に到着してからの各々の行動だ。事前に配った作戦図にそって動けばすべてうまくいく。あの作戦図を作ったのが俺だ。……これでいい?」
ラー「えっ? あれ作ったのパクリコンだったのかってーの!?」
パクリコン「うん」
ワイ「あんな複雑なのをパクリコンが考えられるわけないのさー!」
パクリコン「ええええっ!?」
ロン「はわわわわわおおおおお落ち付けおまえらあの作戦図のイラストだけをパクリコンが担当したという可能性も存在するぞ!?」
パクリコン「いやまあ確かにイラストも俺が描いたけれど、それも含めて全部俺が考えたんだよ!?」
ラー「うっ……採用を考え直すなら今なのかってーの?」
ワイ「それはそうだけれど、ここで他の案を考えている暇はないのさー」
ヒジリ「そうですよ。大体パクリコンさんが作ったからって何なんですか。パクリコンさんだって伊達にここで小人暮らしやってるわけじゃないんですよ? それに町に出向いたりして様々な情報を掴んでいるパクリコンさんならではの発想があるならば、むしろ作戦の質は良いはずなんじゃないですか?」
ラー「……いや、まあ、それはそうなんだけれど……」
ワイ「ひーちゃんはパクリコンの肩を持ちたいのか持ちたくないのかおれっちにはいまいちよく分からないのさー」
ヒジリ「べつにパクリコンさんのことなんてどうでもいいんですけれど、パクリコンさんが考えたことをいじくられるのはなんだか嫌なんですよ。そういうことにしといてください」
ワイ「わかったなのさー」
ラー「難しいお年頃だってーの」
パクリコン「よし、じゃあみんな! 準備が整ったところで王城に向けて出発するぞー!」
「「「「「「「「おー!」」」」」」」」
 こうして七人の小人たちとランカシーレとエルヴィンは荷物を持って馬車に乗りこみ、王城へと向かいました。

 王城への道すがら、馬を御するエルヴィンを除く八人は馬車の中でぎゅうぎゅう詰めのまま運ばれていました。
パクリコン「なるほど、確かに八人乗れてるな」
レビア「パクリコンさんがあたしのおっぱいをずっと触ってるけれど、まあ乗れてるね」
パクリコン「えっ? あ、ゴメン……」
ライキチ「パクリコンが俺の足踏んでる」
ラー「パクリコンが俺のシッポも踏んでるってーの」
ワイ「パクリコンに背筋をつーってやられたのさー」
ロン「はわわわわパクリコンが俺のケツを揉んできたわわわわわ!」
ヒジリ「パクリコンさんが私の尾羽に触ったので後で殴ります」
パクリコン「落ち付けお前ら! このままだと俺は六翻もついてお前らに12000点ずつ払わなきゃならなくなるだろ!」
ライキチ「けちけちすんな。これもお布施だと思え」
パクリコン「しょげーっ。……あ、ねえ、ひーちゃん」
ヒジリ「何です? 尾羽触るのいい加減やめてくれません?」
パクリコン「あ、はい、ごめんなさい。……ってそうじゃなくってね、ひーちゃんは今回の作戦に乗り気じゃなかったから、てっきりついてきたくないものだと思っていた。だけれどひーちゃんがいてくれると本当に心強いよ。ありがとな」
ヒジリ「フン、褒めたって何も出やしませんよ」
パクリコン「はいはい。ひーちゃんの尾羽綺麗だね。踏まないように気を付けるね」
ヒジリ「当然ですってば」
ランカシーレ「……割とパクリコンさんってあけっぴろげでございますね」
レビア「まあパクリコンさんだからね……」
パクリコン「よし、みんな。俺達は夜の19時をもって王城内に突入する。そのためにも今は休息が必要だ。皆思い思いに寝るがよい」
ライキチ「こんな満員電車で寝れるかよ!」
ロン「電車……?」
ラー「鮨詰めで寝れるわけないってーの!」
ロン「鮨……?」
ワイ「体がおシャカになるのさー!」
ロン「シャカ……?」
ヒジリ「炎のチャレンジャーみたいなことをさせないでくださいよ!」
ロン「炎のチャレンジャー……?」
レビア「フェミニズムをないがしろにしないでよ?」
ロン「フェミニズム……? おおおおおおおお前ら落ち付け! そろそろ俺に分かる単語で喋ってくれ!」
パクリコン「お前ら、そう言うなって。ランを見てみろ、あらゆる執着を捨ててニルヴァーナに至ったかのような明鏡止水の面持ちでいるんだぞ?」
ロン「ぷ、ぷすー、ぷすぷすぷすぷす……」
ライキチ「あれ? ロン? ロン!? ローン!」
パクリコン「これは跳満モノですな」
 そんな皆を乗せて馬車はがたごとと進んでいきました。
レビア「ねえ、パクリコンさん」
パクリコン「どうした、レビアよ」
レビア「馬車が揺れて酔いそうだから、パクリコンさんをぎゅってしててもいい?」
パクリコン「えっ!? いや、まあ、いいけれど……」
ランカシーレ「パクリコンさん……実は私も先ほどから馬車酔いを……」
パクリコン「ええええっ!? じゃあさっきまでのはポーカーフェイスだったの!?」
ヒジリ「パクリコンさん……」
パクリコン「ひ、ひーちゃんも!? ああもう、こうなったらかまわん! お前ら全員俺に抱き着け!」
ヒジリ「尾羽踏むのをいい加減やめろって言いたかったんですよ!」
パクリコン「ギエーッ!」
 ……進んでいきました。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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