良い調査ね、さすがに気分が高揚します

 赤城さんと加賀さんのセリフについていろいろと調べてみた一日だった。

 それぞれのセリフの中に主観的事実が含まれているもののみを抜き出してみた。(放置・時報・轟沈・ケッコンカッコカリ時のセリフは除く)

・赤城さん
「慢心…ですって? ううん、そうかなあ……気をつけますね」
「空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ」
「上々ね」
「一航戦の誇り……こんなところで失うわけには……」
「この勝利に慢心しては駄目。索敵や先制を大事にしないと……って、頭の中で何かが……」
「近代化改修、ありがとうございます」
 計六個。

・加賀さん
「あなたが私の提督なの? それなりに期待はしているわ」
「ここは譲れません」
「やりました」
「五航戦の子なんかと一緒にしないで」
「みんな優秀な子たちですから」
「鎧袖一触よ。心配いらないわ」
「頭に来ました」
「飛行甲板に直撃。そんな……馬鹿な」
「良い作戦指揮でした。こんな艦隊なら、また一緒に出撃したいものです」
「補給は大事」
「そうね、この強化は良い判断ね」
「良い装備ね。さすがに気分が高揚します」
「このダメージは完治に少し時間がかかるわ。ごめんなさいね」
 計十三個。

 見て分かるように、圧倒的に加賀さんのほうが主観的事実を口にするケースが多い。その内容にしても、赤城さんで一番濃いものといってもたかだか、
「慢心ですって? ううん、そうかなあ……気を付けますね」
である。赤城さんが一番ぶっちゃけて言う内容ですら作戦・戦闘についての言及である。一方で加賀さんといえば、
「やりました」
「さすがに気分が高揚します」
とまあとにもかくにも「私はこう思っている」系のセリフをよく言う。
 その理由はケッコンカッコカリにおいて判明された。加賀さんは自分で自分のことを「感情表現がうまくない」と述べている。だからこそ加賀さんは不器用ながらも「さすがに気分が高揚します」と言うしかないわけである。ここで留意すべきは、加賀さんは感情表現が下手ではなく単に自分の感情を抑揚によって簡易に表現する術を知らないだけだ、ということだ。もし一般人が表現豊かな声色で「心配要らないわ」「みんな優秀な子ですから」と言っていれば、間違いなくオーバーキル級のパフォーマンスになるであろう。そこから分かるように、加賀さんには抑揚による表現能力だけが欠けているだけにすぎず、感情表現が下手なわけでもなければ感情伝達が不得手なわけでもない。
 さらに留意すべきは、加賀さんがそれらの感情表現を戦場で口にしているということである。赤城さんはどうあったって一航戦の誇り云々の話しかしない。一方で加賀さんはやたらと戦場に私情を差し挟む。それらの違いは感情表現の範疇ではなく、戦闘に対する意識の範疇の話となる。感情表現が下手だというコンプレックスを抱くあまりに戦場にて私情を差し挟むのはすなわち、加賀さんが己の意識に振り回されすぎているということになる。
 それらを踏まえると、加賀さんには「自意識にとらわれる己」なるものや「劣等意識を乗り越えようとするあまりに陥る視野狭窄」などの非常に抜けた人間くさい魅力があるといえる。他の正規空母に比べると、その魅力は確かに一番親しみやすく、身近に感じられるものである。飛龍は亡き多門丸に固執し、翔鶴は己を犠牲にしてまで瑞鶴を護ろうと戦い、瑞鶴は瑞鶴でそのありがたみを知ることなく生きているという人生の恐ろしさと隣り合わせで暮している。赤城さんも実際のところ亡き天城に想いを寄せるあまりに己を排した戦闘意識を保っている(蒼龍は……ええと……どうだったっけなあ……)。それらと比べると、加賀さんの言葉には我々の意識に相当近しいそれが宿っていると考えられる。

 加賀さんと一緒に働いていてもおそらくほとんど話さないだろう。なんだかいけ好かない奴として敬遠するだろうし、飲み会でもろくに話すらしない相手になるだろう。だけれどどんなときでも加賀さんになら任せても大丈夫だという思いがある。赤城さんには存在しない『心の余白』を吐露する余裕のある加賀さんなら、大体何とでもなる。
 そんな加賀さんと毎日艦載機を作っては「やりました」という声を聞くのがとても楽しみだ。明日もまた加賀さんと艦載機を作ろう。

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