ポケットモンスターXyz

 穴久保先生のポケモン最新巻を買ってきた。常に新しい画風や作風に試みる穴久保先生の精力にはただただ舌を巻くばかりだった。
 パースにしてもデッサンにしてもモブにしても、たしかに先生自身の加齢による衰えは見て取れる。しかし57歳にしていまだなお小学生に「ポケモンの生き方の何たるか」を笑いとともに見せようとする姿には多く学ばされる。
 基本的には「どんなに新しい/珍しいポケモンと知り合えても、最高の仲間はやはりピッピやピカチュウだ」「俺達は金が欲しいが、金が無くても充分幸せに生きている」「誰もがお前を見放しても、俺達は絶対にお前を見放さない」といったスタンスの『ポケモンの生き方』を主軸とした作風だ。
 この最新巻ではそれらの要素の引き出し方や演出が憎い。モエちゃんやめいちゃん、ゼルネアスのような子を応援したり背中を押したりするにあたり、「君が本気でやるなら、こっちも本気で助ける。俺達に財力や腕力は無いけれど、底辺で生きてきたがゆえのパワーがある」という姿は相変わらず輝いている。
 この「底辺ゆえのパワー」の表現も強い。「お湯と時間を調節してカップ麺を絶品にする」とか「おならでピカチュウの声真似をする」とか「自ら電撃を受けて記憶をなくす」とか、普通に見ると「ピッピがよくやる下品な行為」なのだけれど、それが人々に笑顔や満足を届けることになるシーンは感動的だ。
 作風についても、タイムマシンで過去に戻る話なんかは普通にミステリっぽいし、学校に住んだり学校でラーメンを造ったりする話も普通に小学生のロマンだし、体臭をはじめとする『イジメの原因』を友情で乗り切る話なんかはレッド達の長年の絆が現れていて読んでいて清々しい思いを抱いた。
 ピッピが漫画を描いて「事実は小説より奇なり」を覆そうとする話なんかは、ピッピがこれまで図面を描いたり工作をしたりする中で表現されてきた器用さや組み立てのセンスが現れていた。伏線回収……とまでは言えないけれども、これまで地道に培ってきたもので改めて勝負するシーンには燃える。

 良い漫画だ。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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