グラデーテッド・ヘア

 髪をグラデに塗るたびにエクスタシーを感じている。

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 髪をグラデーションにすることは幸福度に対するコストパフォーマンスが非常に高い。なぜならたやすく大きな達成感が得られるからだ。これまで「髪なんて塗りたくない」という思いを引きずりつつも達成してきたお絵描きに対し、これほどまでに素晴らしく合理的な解決が見つかるとは思ってもみなかった。「髪を塗るのが嫌なら、いっそ好きになってしまえばいいじゃない」という天地創造ザクリエーションバースト的なその解決は俺をして大いに幸福たらしめてくれた。塗りはじつに人生を変えるものである。
 こういった大逆転劇が人を救うということは、実に多くの世界樹ポエムによって信じられてきた。これまでの世界樹ポエムの戦略は、往々にして一発逆転を狙ったものばかりである。たとえば、その主張が破綻している、という旨の相手の指摘の決定的な論拠の部分に対し、
「あなたはそう習ったのかもしれないが、必ずしもそれは正しくない」
という反撃が成功すればそれはさぞかし気持ちのいいものだろう。人に対し「こんなのはおかしい」と言ってしまった際にどんなに非難を浴びようとも、「今のは『をかし』という意味での『おかしい』だから」というエクスキューズで皆を納得させられれば、それは彼にとってこの上なく盤石な守りとなるにちがいない。自分の過ちを咎める人に対する「あなたたちのやっていることはイジメだ」という指摘で皆を黙らせることができれば、一瞬にして彼は被害者から成功者へとなりえるはずだ。このように相手にたやすくマウントポジションを取られてしまいがちな世界樹ポエムにとっては、一発逆転戦法は非常に理にかなった戦略であるといえる。
 そんな世界樹ポエムも、ときにはいじけて「これ以上話しても無駄だ。誰も俺の考えを分かっちゃくれない」と言って拗ねることがある。しかしそんなときこそ己の主張の究極的に困難を発生させている箇所を突き詰めれば、最適な人生の送り方を導けるものだ。たとえそれが髪の塗りように触れたくもないようなところであっても、自らの手でそれ自身をグラデーションに塗りあげることで望むべき未来と変化させられる。そうなれば世界樹ポエムにもこれから皆とともに楽しく平和に暮らす道が用意されるだろう。
 未来は僕らの手の中だ。いかなる未来であっても、達成は不可能ではない。自分自身で現状の一番の根っこの部分を変化させることができれば、全てが嘘のようにガラリと変化しうる。そうして望むべき未来を得るためにも、彼にはこれからも諦めずに進んでいってほしい。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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