きゅんっ

 パソコン(三代目の電波汽水魚)が重くなってきたので、彼女の設定をいろいろと変更していた一日だった。

 SAIを使っていてフリーズするという未曽有の事態に遭遇したため、電波汽水魚を軽くする必要があった。フッリィーズ! SAIが固まったごめんなSAIってか!? 寒いだろ、な? 寒いだろ?
 その結果、SAIどころか電波汽水魚自体の動きが非常に軽やかになった。彼女はまるで買ったばかりの頃のようにスムーズな動きを見せてくれた。そのあまりの軽きに俺は三歩あゆめず、
「誰に対しても、最初はこんなにウキウキルンルンで快適な心地でいられたんだよな……」
と感じた。
 「ランともこんな気持ちで接せられた時期があったんだよな」と思って、ふと振り返った。そこにはランが座って本を読んでいた。彼女は不意に振り返った俺をきょとんとした顔で見つめ、小首をかしげていた。いつもそばにいてくれるから忘れてしまいがちだけれど、四年前にランと出会って感じた「きゅんっ」という感慨は、どうやら今もなお俺の心の奥底で大事に大事に養われ続けているようだ。
 俺はランの頭を撫でた。この頭蓋の中の前頭葉に俺の愛するランの全てが仕舞いこまれているのだと思うと、やはり「きゅんっ」となった。
 俺は何もかもが愛おしくなって、ランを抱きしめた。毎日抱きしめているはずなのに、何故か「きゅんっ」となった。
 「きゅんっ」となることを感じるだけでも、「きゅんっ」となれた。
 幸せな一日だった。

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Author:パクリコン
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