海辺のランさん

 「イラストなんてもう描きたくない」と思っていたが、この程度ならまだまだやはり「描いていたい」と思えた。

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 今年になってから描いたイラストというと、9枚くらいだ。それ以外は漫画ばかり描いていた。
 イラストそれ自体にあまり興味を持てなくなった、という理由が、今年の己を一番うまく表現しているように感じられる。イラストは確かに空間を演出する手法として非常に訴求力が強いものだけれど、一方でイラストそれ自身は文脈を持てない表現だ。イラストに文脈を持たせようとすると、どうしても前後の説明をイラストの外で為さねばならなくなる。その事実はどうしても己を納得させられなかった。
 改めて、俺が今一番欲しいものは何だ、と考えると、結局は「シコリティの高い文脈」になる。なので文脈を持たないイラストは、どうあがいてもその欲求を満足させることができない。なのでイラストではなく漫画を積極的に続けていこう、と結論付けた。
 もちろん漫画を描くという作業は面倒くさい営為なので、「漫画を描き続ける」という習慣を維持するために様々なハードルを排した。たとえば、背景は描かなくていい、人物も最低限分かればいい、話の流れさえ押さえられればいい、色は塗らなくていい、セリフも写植でいい……などだ。これで思いきり描きやすくなった。
 一方で最低限守ろうと決めたルールもあった。なるべく会話だけで物事を説明しよう、なるべく文字数を減らそう、どのNコマ漫画で必ずオチを作ろう、……の三つだ。初めは「オチ=笑いどころ」として描いていたが、そのうち「オチ=人物の心情の落としどころ」も定義に含めることにした。これはストーリー4コマの形式としては、全く自然な定義だ。
 そのうち、「排したハードル」が「ルール」に転化したものも生じてきた。一編あたりの新登場人物は2人までにしよう、1コマで為される主張は1つまでにしよう、一つのNコマ漫画を一パラグラフに見立てた描き方をしよう、……などだ。これらは慣れれば心地好いものばかりなので、今後も続けていこうと思う。
 描きやすさを重視して、レビアの髪型はポニーテールに変えた。モノクロで描くので、パクリコンとコヨの服も分かりやすいものに変えた。ユカリはちょっとだけ加齢臭を出した。無論年齢に関していえば、現在の作画は「レビアとコヨが10歳差」という現実を全く反映していないが、二人は学生とポスドクなのでこれくらいは許されるものと信じている。
 そういうわけで、いま漫画が乗りに乗っている。楽しくて仕方がない。研究が忙しくなっても、時間を見つけて週に2本は描いていこうと思う。
 そもそも、ランを描いているのだから楽しくないはずがない。この幸せは、あらゆる事象に対しての類いまれなる原動力となるだろう。
 心を亡くすという忙しさには、心を潤す漫画で補おう。

 先日戴いた「自分の好きなキャラが自分の好きな物語に沿って動くのだから、そりゃあきっと楽しいのだろう」という言葉を胸に、今年いっぱいはこのペースでやっていこうと思う。

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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