適当な答え

 大きな山場を越えた後に、
「これから先、どう続けていくつもりなの?」
と尋ねられた。その際に、
「これからも精進していきます」
とは答えずに、
「適当にやっていきます」
と答えた。
 どうやらそれが適当な答えだったようだ。

~~~

 先日のパーティで、タロット占いをしてもらうことができた。その際に「タロット占いとは、何らかの悩みや気になる事象を解明するための手段だ」という事実を生まれて初めて知った。そりゃあまあ、
「パクちゃんにはどんな悩みがあるの?」
と訊かれた際に、
「いえ、悩みとかはとくに無いんですけれど、とりあえず占ってください」
みたいなことを言う海老名市民がいたならば、「おそらく彼はタロットのことを1ミリも理解していない人なのだろう」と誰しも推論するだろう。いまとなっては、
「もみあげはどうしましょう?」
「とりあえずもんでおいてください」
に近いものがそこから感じられる。
 ただ、悩みが無いというのは事実だ。豊かな生活を送れているし、人間関係にも恵まれているし、とくに何かで困りつづけているわけでもない。現に日々やりたいことを充分にやれて幸せを実感しているのだから、ほんとうに悩むことが無い。
 むろん「悩み」ではなく「問題」に分類されるものならある。「どんな漫画ならVOWでウケるか」から始まって「どう実験を進めればいいか」、「解約したはずのネットサービスアカウントの有料コンテンツを停止させるにはどうしたらいいか」、「ウンコに血が混じらないようにするにはどうすればいいか」みたいな、「状態Sを状態S'に変えるにはどうすればいいか」の問題は山積みだ。だけれどそれらの問題は戦略とエネルギーと時間でだいたいなんとかなる。加えて「戦略とエネルギーと時間でなんとかならないものは、べつになんとかならなくてもいい」という思考から始まって「なんとかならなくても、人生において大局的にはなんとかなる」、「この問題がなんとかならなくても別に死ぬわけではない」、「もしなんとかならない場合に死ぬかもしれないなら、いつ死んでもいいように日々を満足に送りつづければよい」くらいにしか考えていない。なのでそれらの問題たちはあくまで「そういう自然現象」でしかないため、悩みにはカテゴライズされえない。
 俺に悩みが無いのは、間違いなく俺の人生が恵まれているからだ。人との縁にしても、大自然を理解するための知識や技術にしても、安全で安心できる場所を毎日確保できるという点にしても、かぎりなく「恵まれている」という表現が似つかわしい。様々な事象(人や物や文化や文明や歴史や物理法則など)に助けられつつ生きていけるという事実は、ほんとうに感謝すべきことだし、ありがたい限りだと思えてならない。
 だからこそ毎日が楽しくて面白い。しんどいし、つらいし、嫌なこともあるかもしれないけれど、そういう出来事たちが大自然のダイナミクスの一部であるという事実はほんとうにワクワクさせてくれる。だいたい「生きている」とかいう「物理法則ではまったく説明のつかない現象」を俺自身が毎日経験しているという事実が最高に楽しい。「殴られた、痛い、イヤだ」という思いにしたって、何らかのエレガントな公理から論理的に導かれて与えられた思いではない。むしろ「長い年月の中で、そういう風に振る舞う人間が生き残れた」という大自然のダイナミクスの顕れのひとつだ。
 太陽が毎日昇るのも面白いし、植物さんが光合成をするのも面白いし、1+1が2になるのもやはり面白い。それらに内在する「どうして」をある程度突き詰めるとさらに面白いし、加えて「なぜだかこうなる」という部分を見つけてもやはり面白い。そうであるから、人間とかいう複雑で面倒くさくて訳の分からん生き物がたくさんいる社会に同じく人間として所属していると、とてつもなく面白いと感じられる毎日を送ることができている。
 楽しくて面白くてワクワクする人生だから、ほんとうに俺が俺でよかったと感じられる。
 今後もこの調子で適当にやっていこう。
 

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Author:パクリコン
ピチロの世界の住人。

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