セカイキあるいは世界樹ポエムのネット恋愛論

 セカイキの言う「ネット恋愛」について、少しだけ考えてみた。

 かねてより、
・結婚(交際)は両家の親によって取り決められる

・見合いによって交際は始まる

・互いに合意した上で交際は始まる

・電話/メールによって交際は始まる
という具合に、交際はパーソナルな情報空間への依存度を深めてきた。ということは、もしこのまま交際形態が情報空間への依存度をさらに深めてゆけば、
・一度も見たことも会ったこともない相手との交際を続けている
という状態も起こりえる。
 まさしくその交際形態こそが、セカイキの言う「ネット恋愛」である。以上を踏まえれば、ネット恋愛というものはあながち奇妙奇天烈なものではないと言えよう。

 ネット恋愛の最大のメリットは、その手軽さにある。なにしろ顔も知らない二人が、
「ネット恋愛したい」
「じゃあネット恋愛しよう」
と活字を通して認識しあいさえすれば、それだけでネット恋愛が成立する。その瞬間から無味乾燥な人生に突如として「ネットカレシ」「ネットカノジョ」なる存在が与えられる。あわよくば、これまでさんざん「早く部屋の外に出ろ。そして働け」と言われ続けてきたヒッキーたちは、
「ヒキコモることは、必ずしも悪いものではない」
と主張できるかもしれない。
 そしてこのメリットは、「容易に別れられる」というメリットをも生む。当然のことながら、見たことも会ったこともない相手に対する手っ取り早い拒絶は、情報空間内でのブロックである。もともと「とりあえず会って相談しよう」というフェイズを持たない関係なので、始まるのも容易ければ終わるのも容易い。まさにEasy come, easy go.である。

 一方でネット恋愛のデメリットは山のようにある。
 まず、ネット恋愛をしたところで、現実的な愉しみを全く獲得できない。「一緒にいて楽しい」、「会う日が楽しみ」、「隣でのんびりしているだけで和む」、「肌のぬくもりが愛おしい」、「というかセックスしたい」といった基本的な愉しみのみならず、「結婚をするなら、そろそろ親に会わせるべきだろうか」「これまで話題に上るたびに口論になってきたあの点について、少しだけ考えを改めてみよう」「結婚したら、まず最初に何をしてみようか」「これまでいろいろあったけれど、それらを踏まえるとやはり結婚するならこの人が一番だ」といったの建設的な思いも、ネット恋愛では決して獲得できない。
 これらはあまねく、ネット恋愛が何も保証してくれやしないことに起因している。ネット恋愛が互いの未来に影響を与えない以上、
「現実のカレシと結婚するから、セカイキはブロックするね」
の一言でネット恋愛などあっさりと終焉を迎えてしまう。
 むろんセカイキは、
「ネット恋愛の相手には、許可なくニコ生にコメントできないように『設定』する」
と主張しては、ネット恋愛における防浮気策を講じている。しかしどう考えても「私に会いに来る気力すら持たないセカイキ」が「実際に私に接してくれる男性」に勝てる要素など無いし、そもそもそんな都合のいい「設定」などこの世には存在しない。相手の脳にマイクロチップでも埋め込まない限り、不可能な話だ。

 もちろん相手の脳にマイクロチップを埋め込むくらいの気概がある人は、ネット恋愛などという生ぬるいお遊びだけで終わらせるはずなどない。しかし皮肉なことに、結局のところその点こそが一番の肝になってしまうのだ。
「あなたを○○するくらいに、俺はあなたのことが好きだ」
という想いが顕れてさえいれば、
「だったら次のステップに移ってもいいかもしれない」
という意志をいくらでも熾させることができる。とどのつまり、そういった「気概ならある。次へ進もう」という互いの意志のやり取りが続いていれば、いくらでも建設的な行動が促されるのだ。
 「建設的」といっても、なにも結婚することだけが建設的だというわけではない。互い妥当な理由を見つけて「これ以上の交際は無理だ」という認識を抱くことも、やはり今後の人生の糧となる。少なからず、次の交際の礎にもなろう。つまるところ、「次に何かをしようとしたときの問題」それ自体に立ち向かうことで、その結果の可否によらず、大きな理解を獲得することができる。その理解は交際においてのみならず、人間関係全般や仕事においても役に立つだろう。
 しかしネット恋愛にはそういう建設性が一切無い。ブロックが1秒で完了する以上、仕方のないことなのだ。ネット恋愛の相手にきちんと説明をする暇があったら、その時間を現実世界の異性との楽しいことに充てたいと思うのが人の性だ。
 加えて悲しいことに、セカイキが、
「インターネットを通して実際に会う人とは、関わりたくない」
と主張している以上、セカイキはネット恋愛相手に一生会えない。すなわち、セカイキにIT告白された相手の意識の中で、セカイキは「将来結婚するかもしれない男友達」に一生なれないのだ。

 だったらどうすればいいか。
 答えは「現実世界のことは一切無視して、ネット恋愛だけを楽しむ空間に移り住む」である。たとえば2003年にリリースされたSecond Lifeでは、実際に仮想空間において商売もできる。自分好みの服でダンスを踊ることもできれば、気に入った相手と男女の営みを行うこともできる。Second Lifeには仮想空間ならではのルールがあるものの、ネット恋愛に準じた営為を続けることはできる。幸いSecond Lifeは全世界の人間が利用しているので、セカイキの大好きな欧米の人とも仲良くなれる。実力があればSecond Life内で生計を立てることもできようし、Second Life内で結婚することもできよう。
 そういうわけで、現在のセカイキの一番の間違いは、「ニコ生でネット恋愛相手を探している」という点に尽きる。これまでの汚名を返上する千載一遇のチャンスだったうたスキ選手権の運営ですらセカイキは放棄してしまったのだから、もはやセカイキにとってニコ生は勝ち目無しの賭博場でしかない。

 だったら第二の人生をSecond Lifeで歩むべきだ。
 むろん周囲の人間は現実社会で多くの友人知人とともに物理的な楽しさを味わっているかもしれないが、そんな大多数の行為に流される必要なんて無い。セカイキにはセカイキの人生があるのだから。
 「今うまくいっていない」のなら、何かを変えるべきだ。
 そう。まずは生活の拠点から、だ。
 セカイキなら、きっとSecond Lifeでネットカノジョを作れる。
 腹をくくって、Second Lifeに飛び込んでみてはどうだろうか。



 ちなみにSecond Lifeでは綺麗で豪華なドレスを簡単に手に入れることができるので、ドレスフェチはSecond Lifeである程度欲求を満たすことができる。しかし残念なことに俺は15分くらいでSecond Lifeのプレイに虚しさを覚えてしまい、そのまま現実での潤いに走って終わってしまった。やはり俺は人肌の伝わるこの物理的な現実世界が好きだ。
 まあ、でも、そんな考えなんて人それぞれだ。
 俺がダメでも、セカイキならやれる。
 俺はそう信じてる。

 頑張れよ、セカイキあるいは世界樹ポエム!

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